妖の掟 (誉田 哲也)を読んでみて | 賢者を目指す!アウトプットブログ

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中年オヤジの説明下手を直したいブログです。今更ながら自分のアウトプット用ブログです。

この小説は、闇神(吸血鬼)のカップルが、ヤクザの仕事から足を洗えない男(人間)とひょんなことで知り合ったことで話が進んでいくホラーストーリーです。

闇神(吸血鬼)と言っても、人間界で目立たぬ様にひっそり暮らしてきたカップルの二人。
そこにヤクザのスパイ活動から足を洗えなくなって人生の袋小路に陥っていた男が登場。

ヤクザに襲われているところへ偶然出くわした闇神のカップルに、男が救われることで話が進んでいきます。

永遠の命と人間離れした運動能力を持っている闇神ですが、ガンガン人間を殺して血を吸っていると、他の人間に見つかってしまうリスクがあるので簡単に血を吸うこともできず、また日の光に当たると死んでしまうので、昼間に出ることもできないというかなり窮屈でひっそりした暮らしを続けていました。

そこへ男と知り合い、一緒に住むようになり、男の仕事を手伝うようになっていきます。

そして、ヤクザ間同士の抗争問題に巻き込まれていき、しかも自分たち以外の闇神に命を狙われていくという複雑な関係性を持ったまま、ストーリーが展開していくのが秀逸だと思いました。

闇神という永遠の命と人間離れした運動能力を持った、一種のスーパーマンのような存在です。

ですが、人間に自分たちの正体がバレないように血を吸い生きていくには、かなり活動範囲が狭まれ自由に生きていくのは難しい現状であり、何百年も二人で助け合って生きてきた孤独な生活。

闇神には闇神なりの苦悩や切なさが、人間社会と通じるとことがありました。

最終局面で一気にストーリーが進んでいくんですが、最後は何のために何百年も生きてきたのか?その本質的な問いを課せられることになります。

なかなか読みごたえがあり、一気読みしてしまった小説でした。

読み終えて知ったのですが、本作品はシリーズ2作目ということで、しかも1作目から17年ぶりの続編だったようで驚きました。

書店で何となく手に取った本を購入したので、全然知らなかったですw

ただ、1作目の数年前のストーリーということで、先にこっちを読んでも大丈夫です。
そして、現在全3部作が出版されているようで、そちらも読んでみたいなと思っております。