2019年 新規収蔵品ランキング 10-6位 | 郵便・切手から 時代を読み解く

郵便・切手から 時代を読み解く

切手コレクター必見! 経済評論家にして郵便・切手評論家でもある池田健三郎が、辛口トークと共に「ゆうびん」や「切手」を通じて時代を読み解きます。
単なる「切手あつめ」や「郵便物コレクション」とは次元の違う、奥深き大人のライフワークの醍醐味をお伝えします。

2019年もいよいよ押し迫り、残すところあと2日となりました。
ここで毎年恒例、この一年の総括として【2019年の新規収蔵品ベスト10】をご紹介しておくことにします。
 
※このランキングは飽くまで個人的な思い入れによるもので、「入手して嬉しかった順」となっており、マテリアル自体を格付するものではありません。またランキングと取得価格は無関係です。
 
【第10位】 平成→令和を跨ぐ速達便カバー(自作品)
平成最後の日である平成31年4月30日の18-24時の時刻表示つきの松本局差立て、到着印が令和初日すなわち令和元年5月1日の午前0-8時の時刻表示つきの玉川局到着印押捺の速達書状です。なんとか最終と最初の消印を同時にとりたかったので、タイミングを計り自作して大成功。嬉しい1通となりました。もっと作っておけばよかったと少々後悔していますが、リスクが高い賭けでした。

 



【第9位】 風景3種完貼 東京府内相互間・2区間料金適用速達書状 昭和4年
和田倉門外<麹町>4.6.26から大森あての速達書状です。東京市内から郡部(大森)あてなので、速達料金は6銭の倍額、12銭が適用されています。


 
【第8位】 廃止直前の内国別配達書状 昭和12年4月
内国別配達は昭和12年8月16日の速達制度全国化をもって、事実上、速達制度に吸収されたため、書状4銭時代の書留別配達は僅か4カ月半(昭和12年4月1日-同8月15日)しかありませんので、貴重な使用例です。

 

 

【第7位】 明治銀婚2銭切手貼 書留訴訟書類書状
記念切手貼の訴訟書類は、これまで数例みかけましたが、明治銀婚の多数貼は初見でした。

 

 

【第6位】 U小判3種完+新小判5厘・10銭貼 別配達書状 明治29年
年末のオークションでの戦利品です。横浜から日光・中禅寺に逗留中の駐日イタリア公使あてで、64銭分の切手が貼付されています。差出人は日光局から中善寺湖までの里程が解らなかったとみえて、当初は表目に貼付された18銭のみを払って別配達を仕立てたのですが、これでは別配達料(日光局→中禅寺湖まで)が大幅に不足することから、日光局において裏面に46銭を追加で貼り足し、合計を64銭として届けたものです。よって、最終的なこのカバーの料金は、書状2倍重量4銭+書留6銭+別配達基本料金6銭+市外別配達料金48銭(144町=約15.7kmまで:6銭/18町毎×8)=計64銭ということになります。




5位から1位は明日のブログで発表いたします。お楽しみに。