「翌日廻し」付箋つき航空便使用例 昭和14年 | 郵便・切手から 時代を読み解く

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切手コレクター必見! 経済評論家にして郵便・切手評論家でもある池田健三郎が、辛口トークと共に「ゆうびん」や「切手」を通じて時代を読み解きます。
単なる「切手あつめ」や「郵便物コレクション」とは次元の違う、奥深き大人のライフワークの醍醐味をお伝えします。

外地からの航空便で内地に到着した軍事郵便は、配達局から先は速達扱いで逓送されることになっていました。

 

画像は昭和14年に野戦局から東京・大森あてに差立てられた軍事郵便の書状です。それ自体は別段珍しいものではありませんが、左上の付箋は一寸興味深いものです。

 

 

この付箋は、配達局(大森局)が貼付したものですが、文面は「この郵便物は午後十時以降に到着したので翌日廻しとして配達する」となっています。

 

本来、速達扱いの場合は、「時間外配達」と表記されていれば、たとい早朝・深夜であっても受取人のもとに届けるルールになっていましたが、このカバーには時間外配達の表記がありませんので、特に急ぐものではなかったようです。したがって大森局は時間外配達の扱いをせずに翌日廻しとしたわけですが、わざわざ付箋を貼付している点が特徴です。

 

このような付箋がついた使用例はあまり見掛けませんので、よい実例が入手出来たのは幸いでした。