切手収集に無縁の人でも、「見返り美人」と「月に雁」だけは知っているというケースは少なくない、それほど有名な切手です。
私も時折、一般の方と切手コレクションについてお話することがあるのですが、その際によく交わされる会話は、概ね次のようなものです。
相手:「切手コレクションをされているそうですね」
私:「はい。小学生からで、気づいたらこの年まで続いているという次第でして・・・」
相手:「私も一時期、収集していたことがありますよ。そうすると、見返り美人とか、月に雁などもお持ちなんでしょうね?」
私:「ええ、まあ・・・1枚ずつくらいは持っています・・・」
相手:「すごいですね。昔はとても手が出ませんでした」
私:「でも今はさほどでもありませんよ。その気になれば数千円で一挙に大人買いもできますから・・・」
と大体、会話はこのあたりまでで終わってしまうことが殆どです。
しかし、「美封堂」さんのブログや、すばらしい競争展作品を拝見しますと、改めて「見返り美人」や「月に雁」というのは、本当に魅力的で、奥が深い切手なのだと思い知らされますね。
それにしても、この一般の方が、詳しい現実(月に雁は、とびきり美しい満月印ならオークションで10万円超えも珍しくない一方、未使用は状態に少しでも難があれば千円でも売れない・・・)を知ったら、どのような感想を持たれるでしょう。