呼吸法や息吹などに於いて誤った方法を伝えている文献が多いが、ここで過ちを糺しておく。


やたらに深呼吸をしたり、息を一定時間止めたりして肺を強制して、トランス状態に入ってもそれは過呼吸や疎呼吸を意識的に行った結果でしかない。


心魂を練る事は叶わず。


自分の身体の変化を以て意識の常態を変えることは、薬物を用いてその作用同等の常態を強制的に作っていることにほかならない。


ヨガや坐禅、一般の瞑想では「迷走」から逃れる事は叶いません。


それでは正道(まさみち)の呼吸法とは如何なるものか?


日常呼吸している常態分の空気を、静かに緩く、長く円やかに息をしていることが分からない程に呼吸することである。


これが出来てくると、深い鎮魂に入る準備ができてくるのです。


さて、鎮魂とは何か?


それは、御魂(四魂)の活動を止め「直毘霊」の覚醒を促すものであります。


この状態を発現する為に神道ではこの行法を重要視しているのです。


更にこの状態に成ることを阻害しているもう一つの弊害が、「無念無想」の境地に至りて無我となる事を伝えているヨガや坐禅の教えであります。


人は、決して「無念無想」、「無我無念」には成りえません!


人間の本来の成るべき意識状態は、「真我真念」の境地にあるのですから。