「遺伝子組換え不分別の謎」 | 梵のブログ

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国も、よくわからないのが現状のよう


「遺伝子組換え不分別の謎」

多分、日本国内の商品を探しまくっても「遺伝子組換え」というのはまるっきり見つからないんじゃないでしょうかね。
何故でしょうか。

「表示義務にカラクリがあるから」と思うんですが、今日は、もっと別な問題です。

「遺伝子組換え不分別」というのはたまに見かけますね。J-オイルミルズとか日清オイリオとかの油に多いかもしれません。
油の原料は既に遺伝子組換えしか手に入らない状況ですから、油のほとんどは遺伝子組換え原材料を使うようになりました。

でも、「遺伝子組換え」ではなく、「遺伝子組換え不分別」なので、そっか、きっと全部が遺伝子組換えにならないように頑張ってるんだ、と思われるかもしれません。

さて、「遺伝子組換え不分別」ってなんでしょうかね。
厚労省のWebサイトを見てみます。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/03/s0323-3j.html

「イ 遺伝子組換え農産物と非遺伝子組換え農産物が不分別の農産物を原材料とする場合」

なんだか分からないですね。
で、ひとつ上の「遺伝子組換え」と表示する場合の例を見てみましょう。

「ア 分別生産流通管理が行われた遺伝子組換え農産物を原材料とする場合」

分別生産流通管理という言葉が出てきますね。
ではひとつ下の「遺伝子組換えでない」と表示する場合の例を見てみましょう。

「ウ 分別生産流通管理が行われた非遺伝子組換え農産物を原材料とする場合」

おや?また分別生産流通管理という言葉が出てきますね。

皆さん、ここに「遺伝子組換え不分別」しか見ない理由が隠されてますが、分かりますか?


「解説しますね」

分別生産流通管理というのは、遺伝子組換えと非遺伝子組換えが混ざらないように、厳密に管理することを言います。
種の選別から栽培、倉庫、流通に至るまで、全ての工程でその二つが分別されて扱われる必要があり、検査に通れば証明書が発行されます。
お金も時間もかかる話です。

さて、「遺伝子組換えでない」という表示をするために、大豆やコーンの栽培、流通に、この分別生産流通管理を導入するならわかりますね。
日本人はこの表示には敏感ですから。

でも、「遺伝子組換え」と表示するために、わざわざお金も時間もかかる分別生産流通管理を導入しますか?
お金と時間をかけて、消費者に嫌われる表示をしたがりますか?あり得ないですよね。

多分、お金がかかるくらいなら、遺伝子組換えと非遺伝子組換えが混ざっても構わない!って、メーカーは思いますよね。

もう一度言いますよ。

分別生産流通管理しなければ、「遺伝子組換え」って書かなくてもいいんですよ。「遺伝子組換え不分別」って書けばいいんです。

消費者は、もしかしたら10%くらいしか混ざっていないかも?なんて、いい方にとってくれるかもしれないしね。仮に99%混ざっていてもですよ。

日本のメーカーが原材料を仕入れる商社は、大概、遺伝子組換えも非遺伝子組換えも扱っています。高くて手に入りにくい非遺伝子組換えを購入しても商売成り立たないし、かといってわざわざお金をかけてまで「遺伝子組換え」って書かなきゃいけない原材料を買うのも嫌だし。

だったら、遺伝子組換え不分別がいいやって結論になりますよね。何%入っているかなんて関係ないんだから。

まぁ、実はそんなにアクドイとは思ってはいませんよ。できるだけ非遺伝子組換え原材料にしてねと商社に頼んでいると思いますよ、もちろん。でも、そういうアヤフヤな表示制度なんですよ、日本って・・・・・・・・・・
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