園芸家ビオット君物語 | サバンナの風のブログ

園芸家ビオット君物語

みなさま。
今回は道普請人ケニアで総務補助と園芸、環境を担当しているビオット君のお話です。
ビオットはジョモ・ケニヤッタ農工大学農学部園芸学科2009年卒。新卒で採用しました。スタッフとして2年半のキャリアになりました。バリンゴという極め付きの僻地出身。道普請人にピッタリの田舎者です。私どものプロジェクトの主要な現場は辺境の農村部。なおざりにされている農民が対象者。やっていることが「土のう」の道直し、園芸、環境。どれも自ら泥まみれ土まみれになりながら農民を訓練していく活動です。都会育ち青年にはとても耐えられない業務です。
トヨタ財団さんが助成してくれた「土のう」による道路補修訓練では土のうの敷き詰めと突き固めを農民と同じようにトレーニングしました。
SNV、オランダの国際援助機関の助成で実施したケリオ・バレーでのマンゴー・プロジェクト、レソスでのパッションフルーツ・プロジェクトを舞台にビオットの専門分野の園芸を徹底して鍛えました。
三井物産さん、日立さん、大成さんが助成してくれた環境プロジェクトでは苗圃場作り、苗作り、植樹を実践をとおして体得させました。
ビオット君なかなか見所があります。
「腰入れんかい」。
「走らんかい」。
「若い時に楽してどうすん」。
「ケニアで一番に成らんかい」。
喜田流の猛烈訓練に耐え抜いてきています。
道普請人ケニアは全方位外交です。県知事、省庁の高官、公社の総裁、国連の高官、日本国大使館の公使との会談や会議にもビオット君を同行します。道普請人を代表して高位高官の人とも臆せずに話ができる者に育てるための場慣れ訓練です。

このビオット君にトヨタ自動車さんが助成してくれているチェランガニ山系の森林再生プロジェクトを担当させています。


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ビオット君が指導している農民グループの谷間の苗圃場です。黒く見える部分はネットで被いアボカドの苗を保護しています。果樹の苗は高く売れるので農民の励みになっています。

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ビオットがグループ農民にアボカドの接木苗の管理のし方を指導しています。

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チェランガニ山系の農地は急斜面です。農地の表土保全のためには等高線に沿ってテラシング(段々畑化)をしなければなりません。ビオット君がグループ農民に手作りの等高線指示器の使い方を教えています。

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等高線の概念があまり解っていないグループ農民の指導には根気が必要です。ビオットが丁寧懇切に婦人メンバーに等高線指示器の操作方法を伝授しています。



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農民グループのお母さん方、なんとか等高線指示器の操作に慣れてきたようです。木の枝を使って手作りした二等辺三角形の底辺をコンパスのように操作して等高線をわりだして杭を打っていく根気のいる作業です。写真の背景で急な傾斜面が良くわかります。

道普請人スタッフには現場で使える具体的で詳細な技術から資金調達のための企画書の書ける創造性とプレゼン能力。総務的な事務能力も要求されます。ビオット君は道普請人に期待される万能型人材に近づく挑戦人生の日々を送っています。