経営は、天文学。
答えは、あなたの中にある。
女性起業家のための壁打ちパートナー
加東憲弥です。
お客様は神様です!
この言葉を、今でも大切にしている経営者は多いと思います。
お客様に喜んでもらいたい。
期待に応えたい。
せっかくご縁があったのだから、できる限り力になりたい。
私も、こうした気持ちは商売をするうえで、とても大切だと思っています。
でも、ひとつ気になることがあります。
お客様を大切にするあまり、自分自身を大切にできなくなっていませんか?
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たとえば、こんな経験はないでしょうか。
・営業時間外なのに、何度もメッセージが届く。
・契約に含まれていない仕事を「これくらい無料でやって」と頼まれる。
・断ると「誠意がない」「プロなら対応できるはず」と責められる。
・理不尽な要求を受けても、悪い口コミを書かれるのが怖くて断れない。
・相手の機嫌を損ねないように、毎回こちらが謝ってしまう。
ひとつひとつは、小さなことに見えるかもしれません。
でも、それが毎週、毎月と続いたらどうでしょう。
本来なら新しい仕事を考える時間も、家族と過ごす時間も、ゆっくり休む時間も削られていきます。
売上はあるのに、なぜか疲れ切っている。
仕事が終わっても、お客様からの連絡が気になって気が休まらない。
そんな状態になっていたら、一度立ち止まって考えてみてもいいのではないでしょうか。
2026年10月1日から、カスハラ対策が義務化されました
2026年10月1日から、事業主にはカスタマーハラスメント対策が義務づけられました。
ここでいうカスタマーハラスメント、いわゆる「カスハラ」は、単にお客様から苦情を言われることではありません。
顧客などの言動が、仕事の内容や状況に照らして社会通念上許容される範囲を超え、働く人の就業環境を害するものかどうか、といった観点から判断されます。
もちろん、正当なクレームや改善の要望まで、すべてカスハラになるわけではありません。
大切なのは、
お客様の要望を受け止めることと、
理不尽な要求を無制限に受け入れることを分けて考えること
です。
なお、今回の事業主の対策義務は、雇用する労働者がいる事業主が対象です。
従業員のいない一人経営者に、同じ雇用主としての義務がそのまま適用されるわけではありません。
それでも、自分の心身や事業を守るための備えは、一人で経営している人にとっても大切です。
むしろ、代わりに対応してくれる人がいないからこそ、考えておきたいことがあります。
一人経営者が我慢してしまう、本当の理由
なぜ、理不尽だと感じても断れないのでしょうか。
おそらく、単純に気が弱いからではありません。
「このお客様を失ったら、売上が減ってしまう」
「悪い口コミが広がったら困る」
「自分にも至らないところがあったのかもしれない」
「ここで揉めるくらいなら、自分が我慢した方が早い」
こうした気持ちがあるからではないでしょうか。
特に、一人で仕事をしていると、売上も、顧客対応も、納品も、経理も、すべて自分で背負っています。
だからこそ、一件のお客様を失うことが怖い。
その気持ちは、よくわかります。
ただ、少しだけ視点を変えてみたいのです。
そのお客様を失わないために、あなたは何を失っているでしょうか。
予定していた仕事の時間。
ほかのお客様への対応。
新しいサービスを考える余裕。
家族と過ごす時間。
そして、自分自身の心のゆとり。
目の前の売上を守るために、
もっと大切なものを差し出していることもあるかもしれません。
「お客様を選ぶ」のは、冷たい経営でしょうか?
ここで、誤解してほしくないことがあります。
気に入らないお客様をすぐに断りましょう、という話ではありません。
こちらの説明が足りなかったのなら、改善できることもあります。
お客様の不満に正当な理由があるなら、誠実に向き合う必要があります。
一方で、何度説明しても契約外の要求が続く。
人格を否定するような言葉を浴びせられる。
対応するたびに、心身への負担が大きくなっていく。
そんな場合には、対応方法や取引の継続について、考え直す余地があるはずです。
お客様を大切にすることは、自分を犠牲にし続けることではありません。
お互いが気持ちよく仕事を続けられる関係をつくることも、経営の大切な仕事だと思います。
あなたの経営には、どんな境界線がありますか?
少しだけ、考えてみてください。
・営業時間外の連絡には、どこまで対応するのか。
・契約に含まれない依頼は、どう扱うのか。
・強い口調や人格を否定する言葉を受けたとき、どうするのか。
・どんな場合に、第三者への相談や取引の見直しを考えるのか。
こうしたことを、問題が起きてから考えるのは大変です。
だからこそ、元気なときに自分なりの基準を持っておく。
それだけでも、いざというときの選択肢は変わってくると思います。
一人経営だからこそ、すべてを自分の我慢で解決しない。
お客様を大切にするのと同じくらい、自分の仕事や暮らしも大切にする。
それも、長く経営を続けるための工夫ではないでしょうか。
女王様経営メソッドで大切にしたいのは、
誰かを支配することでも、
わがままに振る舞うことでもありません。
自分が大切にしたい仕事や人間関係を、自分で選べる経営を目指すこと。
そのためには、まず、自分がどこまで引き受けるのかを知ることから始まるのかもしれません。
次回は、もう少し具体的に考えてみます。
「理不尽なお客様に、どう対応すればいい?」
感情的に言い返すことでも、黙って我慢することでもない。
一人経営者が自分を守るために、事前に決めておきたいことを一緒に整理していきます。
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相談するかどうかを決めるのは、その後でいい。
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