・・・ ・ ・・ ・・・・ ・ ・・・ ・・・ ・・ ・・・・
母は、まるで少女の様に
無邪気に笑いながら
・・・・・・・・・・・・
「初めは・・・・・・・・・・・
「この人は、事の重大さが、まったく
わかってないんじゃないか?」
って、そう思った。
だけど、私は、彼のその言葉に
勇気をもらって、家を出ることに決めた。
あーでもない、こーでもない、って
散々、喧嘩してね・・・・・・・・・・・
そして、この町へ、彼と
一緒にやってきたのよ。
あんた達のケースと違うのは
私も・・・・・・・・彼も、それぞれの
「形」を捨てることに、その時
何の悔いもなかったってことね。
私は、私自身の環境が
すごく嫌だったし
彼にも、何か
そういうのがあったみたい」
「そうか・・・・・・・・・・・・
?
だけど、一緒に来たのなら
なぜ、今まで一緒に
暮らしていないんだ?」
「あんたが、2歳になるまでは
一緒に暮らしてたよ。
彼が、私達と離れたのは
生活の先行きに限界を感じたから。
よそ者の私達が、ここで
どんなに頑張ったって、絶対に
ジリ貧になってしまう、って・・・・・・・・
幸せになることは出来ないんだ、って・・・・・
男と女が、二人きりで生きていく
ということは、言うほど簡単じゃない。
ましてや、子供がいたら尚更。
だから、彼は元の「形」に戻って
収入を得ていく決断をした。
私達のことは絶対に
何とかする、と約束してね・・・・・・・・・・」
「そういうことか・・・・・・・・・
でも、不安じゃなかったかい?」
!
「そりゃあ、不安だったわよ・・・・・・!
私は覚悟したわ。
例え、彼が私達を見捨てたとしても
何とか生きていかないと、って。
でも、彼は・・・・・・・・・・・・・・
今まで、何の揺るぎもなく
ここまでやり通してくれた。
はっきり言って・・・・・
とても、凄いことだと思うわ!
今まで、あんたに、彼のことを
一度も話さなかったのは
話せば、会いたい、って言い出すかも
しれないと思ったから。
彼と、私は、まったく関係が
ないことになってるから
会うことは出来ないの。
会いたいのに会えない・・・・・・・・・・
その矛盾をずっと感じたままで
過ごしていくのは辛いでしょう?」









