50年前の武勇伝【仕返し】 | 踊るアホぅで喜怒哀楽・2

50年前の武勇伝【仕返し】

本日もさっぱりと髪を切ってきた。また文珍さんになってきました。


床屋でおやじさんと話していると今月が誕生日なのだと。

奇遇な事で、今月は私の母も誕生日だと言うと、日にちまで同じだというのだ。2才違いの同日。

あるようでなかなかない同じ日付の誕生日。


そんな話しの流れからおじさんの若かりしヤンチャ時代の話を聞くことになった。

寝不足だったため少し睡眠を取りたかったがけっこう目が覚める話しだった。


ケンカに明け暮れた中学時代だったらしい。
おやじさんは小さいときに事故で脳に軽い障害をもっていたそうで、それが原因で同級生4人に『いじめ』に合っていたそうだ。複数になると悪質で、絶対に勝てない。だから中学の2年間はほとんど学校にも行っていなかったらしい。しかし、やっぱり悔しいので仕返しを考えだそうだ。


「当時、そのジャックナイフの扱いが上手でね。投げたら綺麗に刺さるとよ」
「刺さるとよって、何に?」
「人に」
「ええ!仕返しってナイフでね?」
「そうそう、かなり練習したけん。狙ったところにしか当たらんかったもんね、俺は体が弱かったし、親や先生に言うのもは恥ずかしかったしね」
「全部、腿に刺さった」
と笑っていた。


いじめっ子を一人一人呼び出して仕返しをしたそうな。


当然ながら、その後は大問題だったらしい。
そのナイフが刺さったいじめっ子の親は、警察に行ったそうだ。当時の警察の言った事がまたすごい。
「あんたらの息子は、大人数でしかも障害を理由に一人をいじめとるんやぞ、やられて当然たい!親は何の教育をしとるとか!治療費くらいは請求しても、それ以外のこをしたらただじゃ済まんぞ!」


ってな話。当時の警官は特高上がりが多く凄みがあったとのこと。

警察の人に連れられて家に帰ったおやじさんは、自分の親父にぶん殴られて5mくらい飛んでったそうだ。そして、その警察の人は親父さんをも叱ったらしい。

「自分のこどもが虐められよるとも気付かんと殴る資格があるか!」一喝されたそうだ。


ニコニコしておやじさんは懐かしそうに話すが、こんな大人たち今はどこにもいない。叱る人、それを素直に受ける人。それぞれの言葉や行動には問題がないわけではないと思うのだが、明らかにそれぞれには愛情が感じられた。


しかし、いじめの武勇伝を語る人がこんなに身近にいると思わなかったな。