もう一歩進んで考えてみようよ | 踊るアホぅで喜怒哀楽・2

もう一歩進んで考えてみようよ

暖秋で露地物野菜暴落、「豊作貧乏」嘆く農家

大根、ハクサイといった露地野菜の価格が落ち込んでいる。秋に暖かい日が続き、不作だった今夏から一転して豊作になったためだ。生産者側では出荷すればするほど赤字がかさむといい、「豊作貧乏」を嘆く声が上がっている。農林水産省野菜課によると、東京都内の主な市場では、11月15日現在、1キロ当たりの卸価格は大根36円(平年比51%)、ハクサイ18円(同39%)、キャベツ35円(同48%)――と、いずれも大きく下落。日照不足で不作が深刻化した今夏は、大根が最高121円、ハクサイが同169円まで高騰したが、これとは対照的に秋以降は「暴落」ともいえる状況が続いている。


・・・お天道様のもと、農家の方々いつもご苦労様です。

私の知っている大分県の農家の方で、同じことを悩んでいる方がいました。その方は米や大豆、野菜を作られています。とても真面目に取り組まれる方で『手をかけるだけ良いものに育つ』のだそうです。しかし、大自然だけにはどうしても勝てない。その農家の方は、自然に勝とうということがまず間違っていた。そこで工夫をしたそうです。農作物が高値で売れない時には、加工品として販売するそうです。豊作貧乏の場合は、量は確保でき、旬のものなので味も変わらず良いのだそうです。そうしていく内に自分のところにも加工場ができるようになってきたのです。加工品が売れると、直接消費者の方からその原材料である野菜やお米の要望があり、市場に卸すより高値で売れるようになりました。時間はかかりましたが、お天道様の力を受け入れて自分のできることを考えて実行したときに、全てが上手く回りはじめた、と聞いたことがあります。


こんな創意工夫の話しは、どこにでもたくさんある話です。農業は、今いろいろなところと提携できるので販売方法も無限になりました。その農家の方がさらに付け加えて行ったことを今でも覚えています。「農家はいつも言い訳をする、いつもどこかに頼っているのだ。農業をはじめた以上、農家の主は民間でいえば会社の社長なのだ。社長が、自然や行政や輸入品の悪口ばかりをいっても商売は成り立たない。だからサラリーマンの人たちは本当に大変だと思うよ。農家なんかいざとなれば補助金なんかもあるしね」


と、若造だった私は、照れ笑いが精一杯だったのですが、何の商売にしても『知恵を絞る』というのは必要なのだと痛感しました。その方の水田は高地にあり毎年お米の収穫が早いのです。一般には10月頃ですが、大分の棚田でできるお米は早いところで8月末に収穫されます。ですから私のお米の旬は9月の初旬、まだ残暑の残る時です。棚田で陰干しされたお米はモチモチして格別です。


自然を活かし、季節を活かし、そして知恵に活かされて私たちは美味しいものをが食べられるのです。農業に限ったことではありません、私たちは考えることを放棄したときに『らしさ』を失ってしまったのではないかと思います。