今日行われた、大阪都構想の住民投票。
賛成が可決されれば、地域主権型の新しい日本の形をつくるためのエポックになると期待をしていましたが、惜しくも反対が多数となりました。
(有権者約211万人。投票率66.83%。反対70万5585票 VS 賛成69万4844票。)

 先月行われた統一地方選挙、そして今回の大阪都構想の住民投票を通じて、今の日本人の民意というものを考えると「ぬるま湯のカエル」のエピソードを思い起こします。

*カエルを熱湯に入れるとびっくりしてすぐに飛び出す。しかし、ぬるま湯の中にカエルを入れて徐々に沸かしていくと、カエルは温度の変化に気づかず、気がついた時にはそのお湯から抜け出せなくなって茹であがって死んでしまう。「ずっとぬるま湯の中に浸っているといつの間にか致命的な状態に陥ってしまう」という警告の比喩に使われる話。


 環境問題をはじめ様々な社会問題を解決するためには目先の損得ではなく未来を見据えた抜本的な改革が必要。そして、既得権益を打破してフェアな社会に変革しなければ致命的になってしまうといくら訴えても、ぬるま湯から出たくない人が大多数なんだなぁと、この2ヶ月間の選挙・住民投票をみて改めて実感してます。
 これは日本だけの問題でもなく、去年イギリスでもスコットランドの独立住民投票(投票率が84.59%)が行われましたが、反対が55%と賛成を上回り否決されました。
 民意が支持してくれない限り、思い切った改革ができないのが議会制民主主義の悩ましいところです。

 「人々に要求される生き方の変革があまりにも急激だと、今払わなければならない犠牲より、将来の破局を選ぶ」(社会心理学者エーリッヒ・フロム)ということなのでしょう。
 




 橋下徹市長は記者会見で政界引退を表明。潔い身の処し方だと思います。
「民主主義は素晴しい政治体制」「報道の自由が民主主義を支える根幹」「権力は使い捨てが健全な民主主義」という言葉が印象に残りました。

 今の社会を動かすのは政治家ではない。政治家は民意に迎合するだけ。その民意に大きな影響を与えているのがメディア(報道)。市長任期を終えた後の橋下徹氏のメディアでの活動にも注目していきたいと思います。