今年は日本で、ダビンチ、ラファエロ、ミケランジェロのイタリア・ルネッサンスを代表する3大巨匠展があるのを楽しみにしていました。
 6月初頭にダビンチとラファエロの美術展は鑑賞できたので、3人目、ミケランジェロ展にいつ行こうか?と思いながら、なかなか予定が組めなかったのですが、昨日ポッカリ空いた時間を利用して、国立西洋美術館に足を運びました。

 フィレンツェのカーサ・ブオラローティの所蔵品が紹介されていて、中でもミケランジェロが15歳の頃に作成した門外不出の大理石彫刻の『階段の聖母』も鑑賞することが出来ました。
美術展のサブタイトルが「天才の軌跡」ですが、まさにその言葉通り。
15歳でこの完成度は「天才」としか言えません。

 システィーナ礼拝堂500年記念でもあり、ヴァチカン宮殿のシスティーナ礼拝堂の天井画や『最後の審判』の習作も観ることが出来ました。

 ドイツを代表する文豪・詩人・劇作家・法律家・政治家・自然科学者でもあった天才・ゲーテが、ミケランジェロの偉業を讃えて、「この礼拝堂を見ずして、一人の人間が成しうる偉業を知ることは出来ない。」と語っていますが、天井画と壁画は圧巻です。

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 『最後の審判』の解説で、この礼拝堂の作品の制作で精根使い果たしたミケランジェロの自画像が「皮を剥がされた抜け殻のような男」として描かれていることなどを知りました。


 以前、バチカン市国を旅行した際にシスティーナ礼拝堂の壁画や天井画を観て、あまりにも膨大で壮絶な絵画に圧倒されて、感動と共にヘトヘトに疲れたことを懐かしく思い出します。
 (例えて言えば、最上級のごちそうを目の前に10000食分出された感じでした。)

人間の無限の可能性と、われわれが生きているこの世界の壮大さを感じさせてくれるミケランジェロ展でした。