忘れぬうちに…賢人が話し始めた内容 | babyを亡くしたママのブログ

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09年8月3日息子は天使になりました。

病名は・・先天性心疾患『総肺静脈環流異常症』2ヶ月と17日一緒に生きた幸せを大切にして前を向いて明るく笑顔で生きていきます。1人でも多くの方に勇気&元気をプレゼント出来るようにブログをスタート♪

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※写真は…記事に記した賢人テディベアと母がプレゼントしたファミリアのガラガラを持った賢人。

日々の生活、自身の英会話スクールの予習復習、ホームワークでブログ更新する時間的余裕が無い…。
でもこれは忘れぬうちに記録しようと思った。

先ほど突然、麗夏が賢人の遺影を見ながら『ママ!麗夏お医者さんになるからね!』と言い出した。
そこから麗夏の知らない過去の話をペラペラ話し始めた。

麗夏の主治医は赤ちゃんの頃から『この子は医師になると思いますからしっかり教育してあげてください』と言っていた。
私も自分が幼い頃から、自身の子供は医師になると思っていた。
なぜか?わからないけどそう思う瞬間が多かった。

『ママ、このけんちゃんと一緒に鳥さんのところ行ったの覚えている?』
…と言う。
このけんちゃん…とは、妹が銀座三越で巡り会った真っ白なテディベア。
確かに。そのけんちゃんテディベアを連れて私達は神戸に旅行し花鳥園へ行った。
でも麗夏が誕生する前の話。
まだ麗夏の妊娠に気付いていない段階だ。
麗夏が知るわけも無い。

その後もペラペラ話を続ける。
『けんちゃんの時、手術する時に目をこうしていたの』
そう言って自分の両目を手で隠す。
涙が止まらなくなった。
それも事実だから。
二度目の手術をする際、手術後賢人は医療テープで両目を閉じられていた。
手術から戻ってきた賢人を見て愕然とした。言葉も出なかった。
小さな身体はたくさんの管に繋がれ、両目をテープで閉じられて、開けたままの胸。
麗夏が知らない過去。

…その瞬間。私は賢人だと理解した。
今、話をしているのは麗夏の身体を借りた賢人。

『でね。起きたら病院じゃなかったよ。じぃじがね「こんなに可愛い可愛いよ~」って顔をいっぱい触ってたの。』
父は孫達をそうやって可愛がる。
早く逝ってしまった賢人には特別だった。

起きたら病院じゃなかったよ…

号泣した。
その通り。病院で目が覚める事なく亡くなったから。
亡くなって自宅に戻った事を言っているのか?麗夏として誕生した事を言っているのか不明。

さらに小さなぬいぐるみを持って来て、『ばぁばがこういうお人形けんちゃんに買ってくれたの覚えてる?』
と言う。
伊勢丹新宿で母が一番最初に闘病中の賢人に購入したファミリアの小さなクマのガラガラの事を指しているようだ。

もう頷くので精一杯。言葉にならない。
『隼人はけんちゃんがずっと育てていたんだよ。』そんな事も言っていた。

最近は
『麗夏はけんちゃんだったのよ』
『でも病院で死んじゃったの』
など言う。

麗夏は大人の中で育ったから…まぁ私の娘だから?!大人のようにハキハキと話す。
記憶力は周囲が驚くほど良いため、色々な情報を自分なりに積み重ねて話しているのかも知れない。でも…話す内容が細か過ぎる。
世の中には説明が難しい不思議な話がある。やっぱりある。
亡くなった子供達はどうにかして、家族と話す方法を探しているのかも知れない。
存在をアピールするのだ。
ちゃんと側にいる。必ず側にいる。

たまらなくなり妹にFaceTimeをした。
2人で泣いた。

賢人が挑戦したかった事が世の中にたくさんある。賢人は私に託した。
人生を託したのだ。
だから…一生懸命自分を…自分の存在をアピールしてくれる賢人のために私は努力する。生きる!
結局我が家は全員英会話をスタートした。
7年後のオリンピックまでに誰が一番話せるようになるか?競争である。
今のところは…もちろん父が断トツである。理解している上に努力も人一倍する。
英会話スクールでも有名である。

講師曰く、4月のクラス編成では間違いなくクラスがアップするらしい。
賢人の生きたかった人生を私達は精一杯生きる。
賢人の短い人生を必ず未来に繋げていく。
そのために私達は家族として巡り会ったのだ。