隼人の入院 〜入院生活〜 | babyを亡くしたママのブログ

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09年8月3日息子は天使になりました。

病名は・・先天性心疾患『総肺静脈環流異常症』2ヶ月と17日一緒に生きた幸せを大切にして前を向いて明るく笑顔で生きていきます。1人でも多くの方に勇気&元気をプレゼント出来るようにブログをスタート♪

腰椎穿刺検査終了までの待機時間は長く感じた。
看護師が足速に私達夫婦を呼びに来た。
これも予想出来たが…
『何度かチャレンジしたがかなり動き、抵抗が激しいためうまく針が刺さらない。これ以上トライすると隼人くんの負担が大きいため、一旦中止にしてすぐに出る血液検査である程度判断したい』とのこと。
当然新生児だから、スムーズにはいかない。腰椎穿刺検査における手技も関係するのだろう。
しかし…その時不思議だが本当に不思議だが『ママ!腰椎穿刺検査は必要無いから僕が、いたずらした。隼人が抵抗してうまくすりぬけられるようにした』と賢人から言われた気がした。
それも頭の中ではっきり。
まぁこの手の話は、信じる信じないがあるから読んでくださっている方々に任せる。
私がはっきりそう感じたという事実だけ。
しかし、不安は残る。
さらに何度かチャレンジしたから、不要な痛みを味わったのだ。
でも我々は
ドクターに任せるしかない。
同時に思った。
何が何でもやらなきゃいけない状況では無いのかも知れない。

なぜなら泣き叫ぶ。激しく動き抵抗する。手足をバタバタさせる。
つまりぐったりしていたらこういう行動は不可能。
主人が、私にそう言った。
その言葉に少し救われた。
不安を残しながらも少し状況を冷静に捉える事が出来た。
血液検査、尿検査の結果があがってきた。
主治医の表情から悪い結果では無いと悟った。
とりあえず出てきた結果からは緊急性は無い。もちろん確定させるには腰椎穿刺だが、現段階で再度チャレンジするほどでも無い。
数日後に出る血液培養検査結果を見れば詳細がわかるとのこと。
その結果次第で再度腰椎穿刺をするか否かを決定。
新生児の38度超え発熱という点、風邪の可能性が高いが慎重に観察したい。
よって入院して、経過観察とするとの事。
『入院ですか…』溜息しか出ない。
退院したばかりなのに入院だ。
もちろん安心出来る医療センターでしっかり管理してもらえるから、自宅にこのまま帰るよりずっと安全だ。
抵抗して汗だくになり疲れ切って眠る隼人をベッドに乗せたまま、看護師と小児科病棟へ移動した。
賢人二回目の緊急入院のあの時と重なる。
泣くのを我慢できなかった。
私が弱くてどうするのか?しっかりしなきゃ!でも、気持ちを奮い立たせる事ができない。また1から病気と闘わねばならないのか?
看護師の説明が耳に入らない。
あっという間に時間が流れていた。早朝に到着してからもう昼過ぎ。
両親と祖母に状況を連絡。
スペイン滞在中の妹夫婦には帰国後に伝えることにした。
両親と祖母は何も無いと思っていたからこそショックを隠せない。
祖母は号泣していた。
起きた時に私がいない事に気が付き泣き叫んだ麗夏。
先日出産のため入院し、やっと退院してきたママがまたいないのだ。
麗夏にもどれだけストレスを与えているだろう。どうにもならない感情が私を追い込む。
『けんちゃんどうか隼人くんを治してください』何度も手を合わせ写真にお辞儀してお願いしていたという麗夏。
ママに会いたい気持ちを精一杯我慢している麗夏。
ぐっと歯を食いしばり泣かないように我慢している麗夏を見ると、31年前の私と重なる。
母が入院し、会えなかった時期。
母の闘病生活のため新宿祖父母宅に預けられていたから父とも平日はなかなか会えなかった。わがままを言うと困らせるから私は我慢を覚えた。歯を食いしばり泣かなかった。
健気な麗夏を思い、頑張る隼人を思い、長男の賢人に頼るしか無い。
一日も早く必ず退院させる!
泊り込みが可能なため、私は病院で付き添う事にした。
私のパワーで隼人を一日も早く連れて帰ろう。
両親が『絶対大丈夫だから!絶対守ってあげるから!安心しなさい!』
電話の向こうで励ましてくれる。
返事ができない。涙が溢れ出して声にならない。頷く事で精一杯。
賢人の時も全く同じだった。
同じ言葉を掛けてくれた。

賢人の時と同様、また両親に負担と心配を掛けている。
私達夫婦、孫の心配。ダブルで心配させてしまう。
祖母は、母と父。私達夫婦。曽孫。トリプルだ。
残酷だ。まるで集中攻撃である。

病院がとにかく明るいし、綺麗で清潔。小児医療センターだから、病院内が可愛くて優しい。
心が癒された。
点滴に繋がれた隼人の小さな手。
賢人に重なる。
隼人が4キロ近くで誕生した意味が理解出来た。やはり体力が、無いと闘えない。
主治医からの説明では、何も無ければ一週間後に退院。
何も無い結果を祈るだけ。

一旦主人と自宅に戻り私は入院準備をして主人は会社へ行き夜、主人に送ってもらう事にした。

疲れている中でも、髄膜炎や敗血症の内容についてネットで調べた。
賢人の時に色々な情報がインプットされたからこそ、どうしても様々なデータを集めたくなる。
街は夏休みを満喫する子どもで溢れている。
また私達家族の時間だけ取り残された感覚である。