『東京カラーソニック‼︎』the Stage vol.2

全15公演が終了致しました。

ご観劇いただいた皆様、

ありがとうございました。


Vol.1の出逢いから、

戸惑って、傷ついて、乗り越えて目指して、そして、別れて・・・。

数え切れないほどの涙を流しながらも、添い遂げ此処まで来れたことを改めて嬉しく思います。


終わった今、

色々な意味で安堵する気持ちがありながら、

何千回と聴いて、何百回と歌ってきた「VOICE」ももう歌う時はないのかなと思うと、

ほんの少し、寂しさも感じてしまうのが今の本音です。

でもそれと同時に同じくらい、

「VOICE」を通して見えた景色と想いがその寂しさを埋めてくれているような気もして、

相反しながらもすべての要素が混ざり合って、不思議な多幸感に包まれているのもまた本音です。


ひとりぼっちで、胸にぽっかりと「孤独」という穴が空いていた永久が、

未來くんやたくさんの出逢いに包まれて、最後別れてまたひとりぼっちになっても、その胸に空いた穴は「寂しさ」へと変わっていて。

それが永久にとっての、何よりのこの半年間の象徴だったように思います。

自覚出来る人格や性格としての変化はまだ永久としては無意識レベルかほんの少しの物語だったかもしれないけれど、

そうやって、いくつかの物事の色が確実に変わってきていることは、きっと感じていると思います。


役者として、

ひとつの物語の中での自分の役の変化、起承転結は最も大切に、また表現として求めるものではありますが、

今回のvol.2で何より1番大切にしたことは、

“永久の歩幅“でした。

ダイナミックな変化の方が粒立って、ドラマとしても見応えがあるものですが、

永久はあの薄暗い部屋から出ていくことにも躊躇して、変化にも裏切られてきたばかりだから、

この物語の結果は白黒はっきりした変化そのものではなく、

その先が未だ見えない眩しいとも、逆に照らしてくれるとも思う光のように曖昧で、

はじまりの、ただスタート地点に立ったということが向かうべき終着なのかなと、稽古中向き合う中で、そんな結論に至りました。

田所先生に「お前たち8人は俺の誇りだ」って言われた時に、

きっと永久は「誇り」なんて言葉をかけられたことがなくて、そこで感じた感情の意味さえも知らなくて、

ただ「胸がぎゅっとなる」としか理解も言語化も出来なくて、

ある種、大人の男性からという形式に父への憧れみたいなものも投影したり。

矢継ぎ早に散り散りになっていく仲間たちとその仲間たちに瞬発的に別れを告げる仲間たちにもまた理解が及ばなくて、

初めて知る「別れ」を目の当たりにした時のそのスピードについていけなかったり。

他の人にとっての普通も永久にとっては特別で、初めてで、それがびっくり箱のように詰め込まれた半年間で、

ようやくスタート地点に立って、最後の最後に、その全てを振り絞って踏み出せた唯一の一歩が、

未來くんへの感謝だった。

それがこの物語を経て得た、永久の新しい歩幅なのかなって思います。




改めて、

夕日の先にある物語を演じられて良かったです。

この2つの作品を通して永久として感じたものは、すべてあの東京カラーソニック当日の「VOICE」に詰め込んだつもりです。

この先の永久がどんな道を辿るのか、

終わるまで敢えて進めなかったので、僕はまだ知りません。

でも、

また素敵な1曲に出逢えていることだけは知っています。

そのおとぎの国のような優しい曲を、また永久として歌いたいです。

今までで初めて、家でも心を掻き乱されるくらい大変な役だったけど、

永久とは長い付き合いになるといいな。

心からそう思います。

そして、

その隣にはきっと、裕太の未來くんがいて欲しいと願っています。





『東京カラーソニック‼︎』the Stage vol.2

全15公演ありがとうございました。









僕が生きている今 この道筋だけはもう
願いで終わりにしたくない
だから見つけたい
The truth, so make it the voice.


瀬文永久役 北村健人