旅を始めて7日目、ヴァーモント州バーリントン、早くもこの旅最高の1日が来てしまいました。バーリントンはそんなに観光するところがなくあんまり期待していなかったのですが、素晴らしい人たちに出会うことができました。いつもと違う雰囲気のブログになりそうです。


  教会に救われる

23:45にボストンを出発し、朝4時にバス停に到着。待合室は7時まで開かず、周りに24時間営業のお店も無かったので、その場で待機するしかありませんでした。


気温は1〜3°C。湖の近くなので強風も吹いてとても寒いです。できるかぎり多くの物を身につけてひたすら朝を待ちます。


近くの教会で8時から炊き出しをやっていることを知ったので行ってみました。First Unitarian Universalist Society of Burlingtonという教会で、(どこの教会もそうですが、特に)「全ての人を受け入れる」ことをテーマにしている教会らしいです。



炊き出しに来てるのはホームレスのような方たちが多いです。僕は本当にお金がなくて困っているというわけではないのでしっかり挨拶に行き、いただいていいか確認しました。僕がキリスト教徒であろうがなかろうが、どんな状況だろうが食べたいだけ食べていいと言っていただきました。


炊き出しをしているのは高齢の方が多かったので、せっかくならと準備から手伝いました。どなたと話しても「よく来たね。あなたと出会えて嬉しいわ。」と心から歓迎してくれているのが伝わってきました。



そしていただいた朝ごはん。こんなに美味しいコーヒーは初めてでした。



  そのまま礼拝に参加

片付けも手伝って話しているうちに、そのまま礼拝にも参加させてもらえることになりました。


絵画、像、ステンドグラスなどはなく質素でシンプルな教会です。


礼拝の中で、1人1つ石を選んで自由に配置する時間がありました。


幼稚園くらいの子供も含め老若男女200人くらいの規模です。ギターの弾き語りがあったり、お話も聖書についてではなく身近な話題だったりと、どちらかというと地元コミュニティの集会という感じです。


礼拝後は別の部屋でお茶やコーヒーを飲みながら自由に歓談の時間がありました。48州旅していると言うと、大体「アメリカ人でもそんなことしないわよ!」と驚いてくれます。



  お家へお呼ばれ

たくさんの方とお話する中で特に仲良くなれたのがBobさん、Jeanさん夫婦と重めの障がいを持つ息子のクリスさん。80歳くらいのご夫婦と50歳くらいの息子さんのご家族です。Bobさんは学生時代に日本人の留学生と仲良くしていたらしく、日本人と話せたのが懐かしかったみたいです。


話は盛り上がり、バーリントン出発まで時間があるならぜひうちにと招待していただきました。


家に向かう途中に車で湖に連れて行ってくれました。この湖から吹く風が強くて困っちゃいます。


お家の写真はあげられませんが、とても幸せな空間でした。特にJeanさんとは2人でソファに座って色んなことを話しました。僕はありがたいことに日本でも海外でも、まるで母親のように優しく支えてくれる方々に恵まれているのですが、Jeanさんも新たな母親になりました。


特に嬉しかったのは、途中で「私たちは少し昼寝をするからあなたもゆっくりしてね」と本当に昼寝をしていたことです。本当に家族のように受け入れて信頼してくれているのが伝わりました。


ピアノがあったので、お礼の気持ちも込めて弾かせていただきました。ビートルズをとても喜んでくれて、やはりビートルズはみんな大好きだなあと実感。


夕飯はひき肉、玉ねぎ、マカロニを炒めたもの。中心にキャンドルを灯して、食事前にはみんなで手を繋いでお祈りをしました。忘れることのできない食事の1つになりました。


連絡先を交換して、しっかりお礼を伝えてお別れしました。きっとこれからずっとやり取りする関係になります。朝にバス停で震えているときはこんな出会いがあるとは思いませんでした。


このご家族はもちろん、教会で僕を受け入れてくれた皆さんの無償の愛を思い返すと圧倒されてしまいます。単純に嬉しいとか心が温まるとか以上に、利己的な自分を思って辛くなりさえします。



  出費

11/24

・Greyhound(ボストン→バーリントン) 67.36USD

・宿泊費なし

・ボストンで買った食料と炊き出しといただいた夕食でこの日の食費なし

・教会に少しだけ寄付してきましたがここには含めないことにします。

計67.36USD


7日累計 1074.51USD


  今日のBGM

・『スタジオジブリEssential/Apple Misic プレイリスト』

感謝を伝えきれないし、そもそも感謝なんて見返りは求めてもない無償の愛に、どんな感情を持ったらいいかもわからず、バスの中でとりあえず聴きました。人間として、日本人としてどう生きるべきなのか。まだよくわかりませんが、ジブリは教えてくれている気がします。こういうときは特に『コクリコ坂から』を観たくなります。