さて今回紹介するのは1994年のSMAPの名曲「がんばりましょう」
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サンプリングとは音楽におけるサンプリングとは、過去の曲の一部のメロディーラインや音源を引用し、その音を再構築して新たな楽曲に取り入れる技法のこと。主にアメリカのヒップホップ・R&Bで積極的に取り入れられ、90年代初頭から日本のメジャーシーンでも使われるようになった。

90年代は日本でも小沢健二・スチャダラパーによる「今夜はブギー・バック」(1994年)や電気グルーヴの「Shangri-la」(1997年)などがヒットを飛ばしている。渋谷系やその周辺のアーティストと共振するようにこの曲もまたサンプリングが大胆に使われている。アイドルソングの歴史に燦然と刻まれることとなった。



同曲において、まずイントロに使われているのが、アメリカのアーティスト・プリンスが91年に発売したアルバムに収録されている楽曲「Gett Off」の一部だ。

歌舞伎の声ネタも入った「がんばりましょう」の印象的なイントロは、サンプリングの賜物なのである。そしてそれ以上に大胆に"そのまんま"使われているのが、70年代終盤から80年代初頭にかけて活動したソウルユニット・niteflyteの1曲「You Are」だ。

https://youtu.be/XSaI1IndmS4

同ユニットは、その活動期間は短いものの、発売した2枚のアルバムにはソウルファンにとって馴染みの深い名曲が複数収められており、あの久保田利伸も憧れのアーティストとしてその名を挙げる、知る人ぞ知るユニットだ。「You Are」も、特別ポピュラーな曲というわけではないが、ソウルミュージックファンには思い入れの深い1曲。

「がんばりましょう」のサビの最初のフレーズ「Hey Hey Hey Girl どんな時も」という部分は、この「You Are」の同じくサビの最初のフレーズ「Hey, hey, hey you are all the reasons why」という部分のメロディーラインをサンプリングし、ほぼそのまま使用している。これにより、「がんばりましょう」は、(当時の)若い女性ファンだけでなく、ソウル好きの音楽通の人たちまでハッとし、ニヤリとするエッセンスの入った1曲となった。


1970年代ソウルと1990年代アイドル・ポップスの融合
というのは、まさに当時大いなる挑戦であったと思う。

それだけチャレンジ精神にあふれた実験的な曲だ。
実際にこれ以降、J-POPにサンプリング技法は増えていったという。
だからこそ「がんばりましょう」は
J-POPの歴史的にも意義のある1曲として評価したい。

そしてもう一つ特出すべきは歌詞である。それまでのジャニーズソングと言えば憧れの王子様やスターの視点からの恋愛ソングが歌われたものが多かった。しかしながらこの曲、一般人の視点で歌われている。しかも情けない日々にも挫けない日常を生きる人々の歌だ。辛い毎日にこの歌で救われた人も多いだろう。

自分はバンドのSEでこれを使ったことがある。いくらステージに立っても、また明日から会社に行き社会人に戻ると意識してのことだ。だからステージで気合いが入った。

そう、SMAPはジャニーズのアイドルという鎧を脱ぎ捨てて一般の視点に立てた新しいアイドルだったのだと思う。