しばらくこのブログを更新しなかったのは、会社を辞めるに当たってしなければいけないことがわんさかあったからということにしておくことにします。

 11月19日、とうとう退職してしまいました。不満も大きかった。でも、この会社にいたからできた経験も沢山あった。退職する日に契約書にサインしてもらったり、ちょっと考えられないこともあったし…その中でも一番大きかった出来事がそれ。(以下)

 某ナショナルフラッグのピー・ハウス。「最後に、仕事もう一頑張りね。今まで作ってもらった広告さ、君にものすごい労力を使ってもらって作ったので、それを使って最後にお金払うから、もう1回作って欲しいんだ。」この会社の別の方、営業部長の林さん(台湾人)は、「あなたに作ってもらった広告を打ってから、実は東京線が30%、名古屋線が5%、福岡線が60%も売り上げが上がったのよ。」とわざわざ開いてくださったお疲れ様会の席でおっしゃられて…ものすごく罪悪感があった。自分のエゴで転職してしまったのは事実。その裏に、プライベートにまでサポートしてくださったお客さんの期待を潰してしまったという事実もしっかり焼き付けられた。この林さん、やめることを伝えた時に、「今時間ある?ちょっとお話しましょう」とおっしゃり、台湾系企業の就職斡旋までしてくれようとした。ピー・ハウスとはどうして仕事を続けないのかと言う話になった時に、ポロっと、「先輩が信用できないからです。」とこぼしてしまった。すると彼は、「なんとなく分かるよ。見てるとね。本当に勿体無い。」と…言ってくださった。最後は、「今からあなたが出会う人たちは、CALとあなたがやってきたことよりも大きいことをさせてくれるだろうから、しんどくてもがんばるのよ。何かあったら、家族はタイにいないんだから私のことを家族として考えて、いつでも連絡頂戴ね。時間ができたらうちにご飯でも食べに来なさい。これからも、色々アドバイスしてね。」と林さん。

 お客さんと一セールスの垣根を取っ払ってここまで付き合ってくださる人が本当にいるんだ…結局この会社、中華航空とははじめの契約金額よりも3倍近い契約を頂き、台湾にも連れて行ってもらい、家の中が中華航空グッズ(マニアにはたまらないんでしょうな。。。シャツやらカレンダーやら、この会社には関係ないけど高い台湾茶やら…)だらけになってしまい、日本に帰る航空券も発券できない価格で出してくれたり、暖かい言葉を掛けてくれたり、(ピー・ハウスにセクハラされたり)、人生において忘れることのできない思い出をくれました。実は会社を辞めると彼らに知らせる前に、絶対に怒るんだろうな。と思い、2週間ほど何も言えなかったのです。でも、言ったら「もう広告のっけない。かわいい(ちょっと引いた。)弟がいなくなるのは楽しくない。」とピー・ハウスが切り出したし、林さんも目を丸くして「え?どういうこと?ちょっとお話をしましょう。」とおっしゃられたけれど、最後は携帯電話の番号も交換し、「新しい会社の名刺、できたら持ってくるのよ。電話番号も変えるんだったら必ず教えてよ。自分で悩んで決めたことだから、私たちは止められないけど、困ったことがあればいつでも言ってね。(ここは日本語に訳しづらいので英語で原文。)We could learn a lot from you.」と言われた瞬間、これまたポロッと "Frankly, I did not want to lose this great opportunity, I mean, to work with you all here.., but it came up when think about my future, it would be nicer if I go for something I seek, but feel so guilty against what I am doing..."と言ってしまった。彼らがいなければ、普通に退職してしまうわけですが、そこはもう仕事として割り切るのか、人間味が出てしまうのか判断にこまる場面でした。会社を楯にして何かをすることを逸脱して Person to Person Communication に持ち込むのは時として弊害があることは否めないでしょう。しかし、このケースは身を以って人の温かさを体験できました。顧客として、広告代理店を通さずに最後まで営業の意見に耳を傾けてくれ、それを真摯に対応し、どんな意見も聞き入れ、そして教えてくれ、幸運なことに彼らのセールスが大幅に伸びたことは、こちらとしても最高なできごとでした。最後まで仕事をさせてくれ、4ヶ月と言う短い間にとても良好な関係を築かせていただいた「華航泰國分公司」の方に、この場を借りてお礼申し上げます。

 今年中は、新しい会社に行ってもナショナルフラッグの仕事が舞い込みそうです。ありがとう、チャイナ エアライン。今じゃ「あー、あのよく飛行機落っことす会社ね」なんて死んでも言えません。確かに昔は落としただろうし、バンコク支店での対応もまずいことがあるのは否定できないけれど、(オフィスに行った人なら分かると思います)入ってすぐ右のマーケティング部ではそんなことは一切ありません。この新聞広告が縁で、バンコク発日本行きの中華航空ご利用の日本国籍を持つお客様は12月より台北でのストップオーバーが無料となるように交渉が進んでいることも付け加えておきましょう。