次に概算する手順を考える
自分で作った定義をもとに、概算の手順を考えましょう。
(1)恋愛できる未婚者の人口を求める
日本の人口は約1.2億人とします。
ここから恋愛する可能性の低い年代の人口を以下のように概算し、除きます。
この計算は、人口統計や男女比などの基礎知識をもとに行います。
14歳以下の人口:約1,600万人
51歳以上の人口:約5,300万人
すると、恋愛ができる人口の数は以下のように求められます。
1.2億人 - 0.16億人 - 0.53億人 = 0.51億人(5,100万人)
ここから未婚者の数を求めます。
日本の既婚者が人口の57%なので、未婚者の割合は100% - 57% = 43%と求められます。
既婚者・未婚者の比率が全世代で同じと仮定すると、恋愛ができる未婚者の数は以下のように推定できます。
5,100万人 × 43% = 2,193万人
(2)恋人のいる未婚者の数を求める
続いて、未婚者のうち恋人のいる人数を求めてみましょう。
今回は、独身女性へのアンケート(※1)で37%に恋人がいると分かったとして、(1)を踏まえて以下のように計算できます。
2,193万人 × 37% = 811万人
(3)男女のペア数を求める
最後に質問されているのは「カップルの組数」なので、(2)で求めた人数を2で割ります。
811万人 ÷ 2 = 405.5組
以上の手順で、「日本にいるカップル」は405.5組=約406万組と概算できます。
多分このパフォーマンスの元ネタとなったのは、ファンナンス分野で知られるジャック・トレイナー(Jack L. Treynor)が1987年に行った実験。
彼は講義の中で瓶の中にお菓子のジェリービーンズが何個あるかを56人の学生らに推測させ、その平均値を算出。
結果はというと、学生らの推測値と実際の誤差は21個に過ぎなかった。しかも、グループの中で正確な推測ができたのはたったの1人のみ。
これは、たとえめちゃくちゃ大きい数字や小さい数字を言ったとしても、平均を出す際にそれらが相殺されるため、正解の数字に近づいていくために起こる。
そこでケンティーは、考えました。フェルミ推定と集団の知力どちらの方が正確に量を測ることができるのかと。すぐに答えが出るようなものではないので、ここで白黒つけるのは難しいですが、卒業までに実際に実験してみるのもアリだなと思っています。
今回の話は少し難しかったと思いますが、夢のある話だと思います。今日はここまでです、ありがとうございました。