RTDトーナメント、サバイバルマッチを見て印象に残ったものを一局。

1回戦の南一局をクローズアップしようかなと。
点棒状況や各者配牌等は以下の通り。




親の平賀pと南家の金pにドラの西がトイツ。赤は金pと西家の仲田pに1枚ずつ。ラス目の多井pはドラがなく、状況的には苦しいが速度面はカン5さえ処理できればというまずまずの手牌。

平賀pは四、6、六とツモって3巡目で早くもシャンテン。マンズは4連形含みのため、ツモ47の時は聴牌取らずにすることが多そうな手である。


多井pも4巡目に4pを引き、シャンテンに。タンヤオなどの役が欲しいが、打点を作るのにはスピードが大きい犠牲となるので素直に打8m。現状全ての赤5ツモに対応できる形となっている。


次巡金pに赤5mが入り、ドラ4のリャンシャンテン。形が不安定なカンチャンシャンポンターツが2つあるため、攻めのMax手順にする東切りとした。この時点で河は全員ごくふつうの様子であることも大きそうだ。

7巡目に多井pが2pをツモっての即リーチ。ラス目のため、点棒的にはオリてもらいやすいことと、手替わりして嬉しい牌がほぼ無いことから苦しいながらも妥当な印象。


すると2巡後に7sを引き入れた平賀pも聴牌。先手なら手替わり待ちとしたいが(ソーズ一通かマンズのリャンメン聴牌)後手プラス無筋6m切っての聴牌取らずは緩い可能性があり、リーチ敢行。


2軒リーチに挟まれた後、金pが一手進み、分岐点となる。ここまでもすこしでも安全な8mを残すなど後手に回った展開を想定した選択をしていた。

ドラを切らない手にするなら六だが、これは平賀pのロン牌。3sも多井pのあたり牌のため、聴牌にたどり着くには無筋の赤を2枚切るほか無い(しかも聴牌しても平賀pとダブル持ち持ちの純カラ)。降りるにも共通安牌はなく自分中心で進めても仕方なくも見える。


しかし、冷静に2pを切った。追っかけた親リーを一番に対処するということだ。金pの手牌以外にあるドラが3枚のため、リーチ者のうち本手は1人のことが多い。親が追っかけたことから親が本手であることが多い、といったことが想定できる(多井pはラス目、先制のため、本手でなくともリーチをする可能性がある)。

ドラのありか以外にも、親への放銃は平賀pにトップを取られることにかなりの確率でつながり、自身は仲田pとの2着争いになってしまう。多井pへの放銃ならば、もしも満貫放銃となっても全員が2万点台の並び状態で平賀pのみ親番なしとなる。

つまり、最悪のケースを想定しても、まだトップを取れる確率がそれなりに残る選択であるといえる。



その後もしっかりオリ、流局で凌ぐ。平賀pの親番を流せはしなかったが、それでも次善の結果をきっちり確保したように見えた。

前半2回戦までで金pはトータル2着を確保。仲田pが総合トップもまだまだ通過者が分からない状態。初戦トップの平賀pより金pがリードしているのは今回取り上げた目立たない我慢によるものかもしれない。