今日はご招待いただいて、上白石萌音さんの出演する音楽劇「組曲虐殺」を天王洲アイルの銀河劇場で観てきました。



 

井上ひさしさんの最後の戯曲らしいのですが、ユーモアとシリアスのバランスが絶妙で、シリアスに傾き過ぎそうになると「ここで?」というタイミングで笑いを入れてくるのです。

そのバランスが本当に絶妙で、普通あんな感じで笑いを入れられると劇全体がオフザケになってしまって興ざめするのですが

シリアスに行き過ぎないからこそ、メッセージが深く刺さるというような、絶妙としか言えないバランスで表現されたお芝居でした。

役者さん一人ひとりの力が強く、それぞれ魅力的で、3時間を超えるお芝居でしたが、一気に惹き込まれ、あっという間の終演でした。

この舞台には上白石萌音さんと一緒にミュージカル界の大スター、井上芳雄さんが出演していて、

彼は芸大時代の1つ下の後輩なのですが、楽屋に挨拶行って、担当アーティストと友人がいて、非常に盛り上がりました。
 
井上芳雄さんがこのお芝居を引っ張っていく主役だったのですが、彼の演技の力が本当に素晴らしかったです。

こんな才能たちと一緒に大学時代勉強してたんだなと感慨深くなると同時に、

ずっと一線で活躍している井上芳雄さんに一層尊敬の念を抱きました。

戦時中の日本の左翼とそれを検閲する国家や警察を描いた作品だったのですが、当時の日本人ってどちらの体制にいても、どこかとてもピュアだったり、それぞれの正義や理想を持って生きていて

上白石萌音さんを観ていると、彼女にはあの当時持っていた日本人が失ってしまった純粋さみたいなものを感じるのです。

とても清い美しさを持った、伸び伸びとしたエネルギーを持っている方です。

ああいう日本人の美しさを持った才能が、どんどん世界に羽ばたいて表現していってくれたら嬉しいですね。

 
東京は今日が千秋楽だったのですが、これから地方公演が続くようですので、お近くの方はとっても素晴らしい公演ですので是非!!
 
https://horipro-stage.jp/stage/kumikyoku2019/#schedule