“楽園からの永久追放” ミルトンの「失楽園」最終巻

ミルトンの「失楽園」(平井正穂訳 / 岩波文庫)の最終となる第十二巻を読んだ。
前巻に続き、大天使ミカエルは、アダムに人間の世界にこれから起こることを聖書に則して、ミルトン流に語る。
・ノアの方船(大洪水後)
・バベルの塔:混乱の発生
・アブラハムとその子たち
・モーセとその兄アロン(カナンの地へ)、そしてヨシュア
・イスラエル王国の盛衰(ダビデ他)
・預言者
・救世主イエスの誕生
・イエス・キリスト生涯、十字架の受難を通じての人間の罪の贖い
アダムは幾つもの疑問をミカエルになげかけ、ミカエルは丁寧に応じる。
丁寧だから、納得できるものとは限らないが、アダムは理解し、感謝する。
二人は、山を下り、眠っていたイーヴを起こす。
イーヴも、夢の中で、未来に、自分たちの救済があることを教えられている。
アダムとイーヴは、ミカエルにつきそわれて、エデンの園の東へ行く。
そして、門を出る。
〈まとめ・感想〉
アダムの疑問とミカエルの回答が、内容的には大切なのだろうが、なんだか基本的には、これまでに語られたことの繰り返しのようで、ここに記すのはやめにする。
以上、あらすじと言うか、どのようなことについて語ったかだけを記した。
「失楽園」を一応、読み終えたわけだが、やはり、サタンの登場しているところが興味深かった。
サタンは、堕天使のルシファーのことなのだが、この書では、その名前は使われていなかった。
ルシファーの神への“反抗”、ルシファーの苦悩が、共感をいだかせ、いたましさを感じさせた。
「失楽園」を読み進む中で、ロートレアモン伯爵の「マルドロールの歌」を、読み返してみたいなという気持ちになった。
神と対峙する“悪”という観点から読みたいなと。