そらと くもと イルカと リクガメと


この3年余り 毎週土曜日は、南房総の診療所にいた.


外海の傍ということもあり、季節を感じることのできる風景に

いつも癒されていたのだけれど


先月で勤務が終了.


次の勤務先を教えてよいですかと聞かれたけれど

できれば、ここで次の先生に診てもらってくださいとお願いした.

いつも異動のたびに きかれるけれど 同じ.


患者さんが自分につくのは 嬉しいことだけれど

そのために長距離を移動させるのは 気の毒でしかないし

自分にたいした自信があるわけでもない.


それでも 捜して捜して 

びっくりする頃に外来にやってくる患者さんもあって


「先生、やっと会えましたね(#^.^#) 引導を渡してもらいますよ」と. 


「僕は医者なので 引導は渡せませんよ 頼むなら お坊さんでしょ(*^_^*)」


こういう方々とは 冗談を飛ばしあいながら 

何年も ゆっくり診させて頂いている.


そらと くもと イルカと リクガメと


末期肺がん がんセンターで強い外来化学療法をしているAさん


それ以外のことは ここに来ると言って

もう二回 病院を越えて 外来にきている.


風邪をひいたと言っては やってきて

お腹が痛いと言っては やってくる.


薬のついでに たくさんの日常を話していかれる.


先日も診療が終わって  いつものように 

最後の声掛け.


「無理せず、 ゆっくりね」


あなたの傍に いますよ と伝える

尊敬し 共感し そして 本当に心配だから.


けれど 彼女は

「その声が聞きたくて 来てますの」と 嬉しそうに.


こういう声掛けは 医療ではない.

ヒトとしての お付き合い


立ち位置は いつも同じ.


 

震災で あちこちの被災地にいくときも

地元で まいにち忙しくしているときも


誰かを想い 遠くを想い 空を見て.

  

忘れてなんかいませんよ


「あなたの傍に いますよ」



みんなに伝わると いいなあ.