六年以上昔の
彼女と出会ってから一年くらい経つ頃の話
誕生日やバレンタイン、夏祭りにクリスマス…
彼女に贈ったプレゼントの金額は車一台分を超えていた。
「お金を払えば何でも思い通りになるとでも思ってるの?」
「あのね、世の中にはお金で買えないものが沢山あるんだからね」
彼女の言うことももっともな意見だ。
ならプレゼントを受け取るなよとは言えない(泣)
僕はモテるようなタイプの男ではない。
どうしたら彼女に気に入られるか全く見当もつかない。
「僕にもいいところなんてあるのかな?」
「うーん、ひとつだけあるけど、すぐに調子に乗るから教えない(笑)」
「じゃあ、どういう男がタイプなんだよ?」
「みんなから慕われていて人望のある親方気質の人かな?」
全く僕とは正反対だ。
僕はただのサラリーマンでちょいと偏屈なエンジニアだった。
貯金も使い果たして、お金は殆ど残っていなかった。
年も離れていて趣味も考え方も何もかも合わない二人。
次の誕生日が最後のプレゼントになるだろう。
僕は自炊をして食費を節約して余った小銭を貯金箱かわりのガラス瓶に貯めた。
すぐに彼女の誕生日が来てしまう。
「ゴメン、今日は何も買ってあげれない」
「お金を切らしたなら仕方ないよ」
「これ、誕生日プレゼント」
僕は小銭の詰まったガラス瓶を彼女に渡した。
今までに贈った高価なブランド物に比べると、数万にも満たない代物だ。
それなのに彼女は今までで一番喜んでくれた。
気を遣った演技とかでもなく、本当に喜んでいた。
時計も指輪もコートのときよりも嬉しそうな笑顔だった。
最後に会ってから五年以上経つが、彼女が何処でどうしてるかは知らない。
元気でいてくれれば、それでいいさ。
彼女と出会ってから一年くらい経つ頃の話
誕生日やバレンタイン、夏祭りにクリスマス…
彼女に贈ったプレゼントの金額は車一台分を超えていた。
「お金を払えば何でも思い通りになるとでも思ってるの?」
「あのね、世の中にはお金で買えないものが沢山あるんだからね」
彼女の言うことももっともな意見だ。
ならプレゼントを受け取るなよとは言えない(泣)
僕はモテるようなタイプの男ではない。
どうしたら彼女に気に入られるか全く見当もつかない。
「僕にもいいところなんてあるのかな?」
「うーん、ひとつだけあるけど、すぐに調子に乗るから教えない(笑)」
「じゃあ、どういう男がタイプなんだよ?」
「みんなから慕われていて人望のある親方気質の人かな?」
全く僕とは正反対だ。
僕はただのサラリーマンでちょいと偏屈なエンジニアだった。
貯金も使い果たして、お金は殆ど残っていなかった。
年も離れていて趣味も考え方も何もかも合わない二人。
次の誕生日が最後のプレゼントになるだろう。
僕は自炊をして食費を節約して余った小銭を貯金箱かわりのガラス瓶に貯めた。
すぐに彼女の誕生日が来てしまう。
「ゴメン、今日は何も買ってあげれない」
「お金を切らしたなら仕方ないよ」
「これ、誕生日プレゼント」
僕は小銭の詰まったガラス瓶を彼女に渡した。
今までに贈った高価なブランド物に比べると、数万にも満たない代物だ。
それなのに彼女は今までで一番喜んでくれた。
気を遣った演技とかでもなく、本当に喜んでいた。
時計も指輪もコートのときよりも嬉しそうな笑顔だった。
最後に会ってから五年以上経つが、彼女が何処でどうしてるかは知らない。
元気でいてくれれば、それでいいさ。