中学生の娘との
月一回の買い物と食事
横浜の街を二人で歩く


少し前に付き合っていた彼女と歩いた道と同じだと気付いて
一人で苦笑い

化粧品とブランド品が文房具とゲームソフトになっただけだ


娘との買い物も
それはそれで楽しいのだが
父親らしいこと出来てないことが
なんか悔しかったな


せめて息子だったなら生き様というか生き方や将来の夢とか
いろいろ語れるだろうに


中三になって進学の話題も増えてきたが
九州の田舎出身のオイラの経験は何の役にも立たない


「フンフン」
「そうか~」
と聞くだけ


「受験どこにするか十数校の候補あるから選ぶの迷ってる」

ってマジか?


父ちゃんの田舎では選択肢は三つもなかったぞ

高校の名前聞いてもピンとこない

「制服が可愛いとこに決めればいいじゃん」

ってふざけて(実は本気で)言ったりもした


「何か決めてになる条件ないのか?」

「校則が緩くてバイトOKなとこがいい(笑)」

「フンフン」

「あと一番は軽音部あるとこ。高校決まったらギターの練習始めたいな」

「えっ、父ちゃんも中三の時にギターかじったんだよ。少しだけな」

娘の中に夢のカケラらしきものが見えて
オイラも
ちょいと感動したよ

つづく…