言葉なくとも伝わること。
ご無沙汰です。栗原健太です。
1年に1日だけ、一応覗いてくださったあなた、ありがとうございます。
今、僕は選手を引退してコーチという立場になりました。
発信力もないと思いますが、いつもいい機会を頂いていると思って書いています。
こちらでは、ほとんど8月6日を意識する人はいないと思います。
知らない人も多いと思います。
僕にとっての8月6日は、
被爆または被曝により亡くなられた方、被曝に苦しまれた方、そのまた子孫の方、
嫁のじいちゃん、おばさん、その兄弟の人達のことをおもい、
そしてその年の1月からの自分を振り返る日でもあります。
末っ子が2歳になったので、
またこの日を伝える大切さを感じます。
末っ子は広島にいないので、平和教育を受けられないかもしれません。
嫁が幼い時、原爆資料館に入ってすぐにあった被爆再現人形という蝋人形を見た時の衝撃が今でも忘れられないと言っていたことがあります。
映像や本や写真よりも、この人形の衝撃は凄かったらしいです。
僕も大人になってからですが、何度も見たことがあり、その度に何とも言えない気持ちになりました。
でもこの人形は撤去されました。
人形でさえショックを受けるのに、実際はこんなものではないと聞きました。
子どもたちは、怖いと思います。トラウマになる子もいると思います。
でも、きっと嫁の世代はそれだけで終わらなかった。
いつも自分と接しているじいちゃんやばあちゃんが、実際に体験して、その目で見た世界だからです。
ただ、今の子どもたちはもう、そうではありません。
会ったことのない、じいちゃんたちの経験したことにどれだけ思いを馳せることができるのか。
原爆投下はただの歴史だと捉えるのか。
ただ、その人形を恐いと思うだけで終わってしまうのか。
本当に恐いのは、その人形ではなくて、人間をその人形のようにしてしまった人間だということを教える親もいなくなる。
実際に、少なくなったから、撤去されたのかもしれないと思っています。(公表されている撤去理由は違うというのは読みました)
伝えていくのはとても難しいことなのに
何も言わず心に伝えてくれていたものも無くなっていくのは残念です。
いつか新しい資料館に娘たちと行かなくてはいけません。
今の僕の話も少しします。
とても充実しています。
ただ、もどかしくもあります。
今までは自分で考えたことは、自分の体を使って形にすればよかったけど
今は、形を直接残してくれるのは、自分ではないからです。
育成の選手たちを主にみていますが、
みんな性格も能力も違います。
言ったことを、すぐに形にできる選手もいれば、不器用だけど努力して身に付ける選手もいる。
とことん教えた方がいい選手もいれば、ある程度任せてあげた方がいい選手もいる。
ひとりひとりを理解することをまず大事にしています。
はっきり言えば、僕のみている選手は、そこにずっと居てはいけません。
24時間野球のことを考えて、100%の力を野球に注ぐことが最低限であって、他の選手より上を行くためにそれ以上に何をやるべきか。
いつも危機感を持って考えて動かなくてはいけないのに、いつの間にか居心地よくなっていたりする
プロ野球選手でも、そんな選手も多いです。
コーチである僕が選手の誰よりも早く練習を始めて、誰よりも鍛え続けていたら(もう引退したので好きなように好きなだけ筋肉をつけれる)、
何も言わなくても、何か伝わってくれるのではないかと。
僕の言うことに信用性が増す。ような気もするので
そんな感じに今、努めています。
8月6日、どのように過ごされましたか。
広島にいるここちゃんが、じじさんと平和祈念式典に行って
写真を送ってくれました。
じじさんが被爆2世で
ここちゃんが被爆4世。
今の平和に感謝です。
台風5号、暴風に豪雨にお気を付けください。