【光とは何なのか?】
光の本質を追求した者たち
私たちの目に映るものは、神経細胞の働きの産物によるものです。
光はまず角膜で屈折し、網膜上に像を結びます。
そして、その情報は神経細胞によって脳に運ばれ、処理されるのです。
このように、光が感知されるまでにはいくつかのステップが存在しています。
それでは、どこまでが光の特性で、どこからが神経活動の産物なのでしょうか?
そして、私たちが見ている色は、光のなかにあるのでしょうか、それとも、私たちの目のなかにあるのでしょうか?
かの有名なニュートンは、その答えが知りたくてしょうがなかったのです。
ニュートンは、光の正体は粒子であると考えていました。
ですが、その考えに真っ向から反論する人物がいたのです。
クリスティアーン・ホイヘンスです。
彼は、土星に輪があることを確かめ、最も大きな衛星であるタイタンを発見した天文学者です。
他にも、確率論という新しい数学の領域を開拓するなど、彼の残した功績は多くあります。
そんな彼は、光の正体は波であると考えていたのです。
その当時、音が波のように広がることは知られていました。
ドアを少し開けておくと、外で喋っている人の声が聞こえてくるのは、
音が壁などの障害物を回り込んで入ってくるからです。
そして、ホイヘンスは、光もこれと同じ性質をもっていると考えました。
光の正体は、ニュートンが考えたような、一直線に次々と飛んでくる粒子なのか、
それとも、ホイヘンスが考えた、あらゆる方向に広がる波なのか?
ニュートンとホイヘンスの2人の天才は、どちらが正しいのでしょうか?
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→2020年10月12日 12時更新
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出版社:ナショナルジオグラフィック