03/02 アレルギーって何故起こるの?その仕組みを解説 | 健太の白血病闘病記~余命半年を生き抜く~ブログ

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余命半年を生き抜く混合性急性白血病患者の闘病記

予後不良タイプで余命宣告を受ける。また、末梢血の白血病細胞(ブラスト)の数が、54万個/μLと、病院の最高記録を大幅に更新した。(もはや、血液機能は失われており、いつ死んでもおかしくない状態だった。)

先日、神奈川県で学校給食で「キウイフルーツ」を食べた学童が多数、アレルギー症状を発生するという事案が発生しました。


アレルギーって、どうして起こるか、自分が学生のときに学んだ事を思い出しながら、解説します。


極端な話、人間にとって、自分以外は、食べ物、化学物質、細菌、ウイルスその他諸々が、すべて異物です


食べ物の場合、分解して必要な栄養素をうまく取り出しているだけで、基本的に異物です。


これらの異物から体を守るため、自然免疫(マクロファージ、好中球など)と獲得免疫(T細胞、B細胞など)が常に全身をパトロールしています。


食べ物を食べて胃酸等で分解した物質を腸で吸収するときは、腸内に沢山の免疫細胞が集まってきます。


免疫細胞の詳しい説明は、以前のブログで白血球の詳細を掲載しています。
01/02の「(6)白血球の働きと免疫システムの再構成とは」 をご覧下さい。


画像をクリックすると拡大します。
健太の白血病闘病記~余命半年を生き抜く~ブログ-免疫システム

最初に、体内に異物が入ってきたら、自然免疫(細胞性免疫)が鼻やのど、その他消化管において、異物を発見し、貪食(異物を細胞内に取り込むこと)します。

そして、異物の一部を抗原(外敵の特徴)として、細胞外に排出し、ヘルパーT細胞に抗原が渡ります。


ヘルパーT細胞は司令官の役割があり、その外敵の特徴から、適切な免疫細胞に出動要請します。

例えば、外敵が細菌のときは、ヘルパーT細胞の多くはTh1細胞に変化し、マクロファージや好中球(細胞性免疫)の増産を骨髄に指示します。


一方、外敵がウイルスのときは、、ヘルパーT細胞の多くはTh2細胞に変化し、T細胞やB細胞(体液性免疫)の増産を骨髄に指示します。


このようにして、外敵の特性に合わせて、戦わせる免疫細胞を調節しているのです。


ここまでが免疫の基本です。



で、ここから重要なポイントを解説します。

体液性免疫であるT細胞とB細胞は、抗原に対応する「抗体」を持っています。

この抗体には、IgG、IgM、IgA、IgD、IgEの5種類があります。


で、アレルギーを引き起こす抗体がIgEです。IgEは、抗体に占める割合が0.001%以下と極微量しか存在しません。本来は寄生虫に対する免疫反応に関与していると考えられていますが、寄生虫の稀な先進国においては、特に気管支喘息やアレルギーに大きく関与している。


つまり、寄生虫退治の出番がなくなり、勝手に新しい仕事を見つけた訳です。



通常、ヘルパー細胞はTh1とTh2のバランスが保たれています。しかし、何らかの原因でバランスが崩れ、体液性免疫に重要な役割を果たすTh2の割合が増えると、IgEの増加が顕著になります


健太の白血病闘病記~余命半年を生き抜く~ブログ-ヘルパー細胞のバランス

IgEが増える主な原因は、

①アレルギー源の増加(花粉等の増加、住宅の断熱性、気密性向上によるダニの増加)
②大気の汚染(自動車排ガス汚染、特にディーゼル車の排ガス粉塵)
③食生活の変化(高蛋白、高脂肪食品、食品添加物の増加)
④ストレス(社会的ストレスの増加)
⑤細菌感染症の減少(衛生環境の改善・抗生物質の普及)



特に幼少期のアレルギーアトピーは、③が原因です。

幼少期は、腸の働きが一人前とはいえず、口から入ってきたものを消化したり、病原菌などと食べものを選別する力が弱い。 さらに免疫系も大人のそれと比べると、発達していません。


ある程度の年齢から、徐々に食べると、免疫寛容され、異物ではなく、栄養素とし認識するようになっていきます。


前述のとおり、食べ物はすべて異物です。

食物がもつ抗原を異物と認識するとそれを排除するためにまず「IgE抗体」が作られ、皮膚・腸粘膜・気管支粘膜・鼻粘膜・結膜などにある肥満細胞と結合します


その後、再び食物抗原が体内に侵入し、IgE抗体と結合すると、肥満細胞は化学伝達物質(ヒスタミンなど)を放出し、アレルギー反応が引き起こされ、じんましん、湿疹、下痢、咳、喘鳴(ゼーゼー)などの症状が誘発されるのです。


時々、初めて食べてアレルギー反応を示す場合があります。こうしたケースにおいて、同じアレルゲンをもつ食べ物を以前に食べていることが原因である場合があります。


私の仮説では、初めてアレルギー反応を示したのは、体調等が悪く、体内にIgEが増加している時に、たまたまアレルギーになりやすい食べ物を食べたために、反応したのではないかということです。



アレルギーは、金属アレルギー、薬物アレルギー、花粉症、食物アレルギーなど幅広く存在しますが、代表的な食物アレルギーを紹介しておきます。特に幼少期は食べさえない方が良いでしょう。


健太の白血病闘病記~余命半年を生き抜く~ブログ-アレルギー食品例

キウイフルーツは食品表示のアレルギーの可能性が懸念され、表示を推奨されている品目です。



なお、アレルギーはIgEが関与するメカニズムだけではありません。

ややこしくなるので割愛しますが、アレルギー反応の種類、関与する物質、症例を掲載しておきます。

(食品アレルギーはⅠ型、骨髄移植による拒絶反応はⅣ型)


健太の白血病闘病記~余命半年を生き抜く~ブログ-アレルギーの種類
(たまご博物館さんのHPから)



本当のところ僕が知りたいのは、骨髄移植をする前の人は、花粉症や食品アレルギーがある場合、移植後、アレルギーが治るか?ということ。過去に受けたワクチンなども無効になるわけだから、アレルギーもリセットされても理論上はおかしくないんだけどね。


ただ、白血病を治すことだけでも大変なことで、誰も過去のアレルギー症状等が治るかどうかを調べた人はいないみたいですね。


ちなみに私は移植前にアレルギーは一切無かったので、兄からもらった移植細胞に、兄が持っているアレルギーが引き継がれるかというのがもっともの関心事ですが、今のところ発症ていませんね。

つまり造血幹細胞には、抗原に関するメモリー機能は無いということですね。



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