No.2から見えないトップの頭、第四回目となる今回は、
「資本」、「資金」、「インフラ」と続きまして「人事」をテーマにお送りします。
私は以前レストラン経営に携わっていたときに、
人事には相当頭を悩ませた記憶があります。
人事とは、採用のほか、組織内のポジショニングも関わってくるわけですが、
チームの成果創出において、
この人事は大変重要な意味を持つことは想像に難くないでしょう。
私の人事の基準とは、まさにパズルのようなもので、
この人をここに配置したら組織がどうなるか?
というのをイメージする作業がほとんどだったように思います。
というのも、以前に、あるべき組織像、チーム像をしっかりと構築して、
それぞれのポジションに見合うように人材を育成していく、
というような人事を行っていたとき、
これが思うように行かず失敗ばかりしていたのです。
これは、実はこのような組織がもの凄く脆弱だからなのです。
頭でイメージした心地よい組織というのは、
結局のところ人事する人間の好みややりやすさなどに影響を受け、
気づいたら似たり寄ったり、類は友を呼ぶ、といったような、
組織を作り上げてしまうのです。
一枚岩、というと聞こえはいいですが、意外に脆く危うい組織になって
しまうのでしょう。
これは単一栽培によって品種の多様性が失われたり、
気候変動や病害虫の発生で作物が全滅するリスクを抱える
近代農業の抱える問題にも似ています。
経営とは環境適応業といわれるように、
経営において人事とは、このような経営環境の変化に対応するために、
いかなる事態にも対処できる多様な人材をそろえておくことが、
経営者の手腕なのだといえそうです。
どうなるか予測すらできない世の中において、
企業を存続させることの辛さを身にしみて感じるテーマだと
思いました。
いつもありがとうございます。
第5回へつづく・・・