道州制型統治機構研究会で、官邸機能の強化策と国会改革案をまとめた。

 大阪維新の会がいくら立派な政策を並べようが、現状の政府と国会の状況では実現は難しい。まずは、ガバナンス改革をやらねばならない。

 これまで我が研究会では、青山社中の皆さんを招いたりしながら、民主党が自民党の何を改革しようとして失敗したのか、といった研究を行ってきた。

 本日は、官邸機能の強化策について、以下に披露する。


 まずは、鳩山内閣が成そうとしたことのへの反省。

 

○従前の「国家戦略局」「内閣人事局」構想をふまえて

【鳩山内閣の提出した2本の閣法(平成222月)=いずれも未成立・廃案】

 ①「政府の政策決定過程における政治主導の確立のための内閣法等の一部を改正する法律案」 ⇒内閣官房に「国家戦略局」を設置

 ②「国家公務員法等の一部を改正する法律案」 ⇒内閣官房に「内閣人事局」を設置

【上記の法案の問題点】

 上記の2本の閣法は、官邸機能の強化による政治主導を実現しようとするものである点で評価できるものであったが、従来の内閣官房という「器」をそのままにした不十分な制度設計であったため、次のような問題点が指摘されてきた。

 ・ 増大した内閣官房の機能が、一人の「内閣官房長官」に集約されており、その負担が過重に過ぎると、そこがボトル・ネックになって、かえって国政が渋滞してしまうおそれがある。

 ・ 肝入りで設置されたはずの「国家戦略局」と国家戦略担当大臣(特命事項担当大臣)との関係が、法的には接続されておらず、指揮命令系統が不明確なままになっている。


 以上をふまえて、以下を提案する。


○内閣官房機能の「二分化」構想

 ・ そこで、政治主導の実現の観点から益々重要性を増した内閣官房機能を「二分化」し、内閣官房に総務・総括担当と政策(政務)担当の二人の官房長官を置くこととしてはどうか。

 ・ 総務・総括担当の「内閣官房長官」は、幹部人事や情報収集を担当し、「内閣人事局」を所管することとし、他方、政策(政務)担当の「内閣官房政務長官」は、「国家政策」全般を担当し、その下に予算編成を所管する「内閣予算局」を設置して、財務省主計局の企画・立案機能をここに移管し、財務省の査定機能と分化する。なお、政府全体の最終的な総合調整権限は、総務・総括担当の内閣官房長官が行うものとする。

 ・ また、それぞれの長官の下には、内閣人事局長・内閣予算局長を兼ねる官房副長官を含めて、複数の副長官を置き、政治主導が実現できるような体制を構築する。