先日、「自民党の支持率が上がらないのは、マスコミにも責任がある」、とのコメントを頂いた。温かい見方で有難いが、私としてはそれを是とすることはできない

 マスコミを操るくらいの能力がなければ、そもそも政権与党たる資格はない。野党であれば尚更、発信力を問われる。

 例えば予算委員会の自民党の質疑者選びは問題がある。幹事長や、政調会長、さらにはベテランの方々が優先的に国会中継に登場し、しかも大してうまくないものが多い。

 党改革の会議の中で私は次のように提案した。

 「テレビに中継されるような質問については、第三者評価委員会のようなものに評価してもらい、点数制で質問者を選ぶようにすべきだ。そうすれば、質疑者も切磋琢磨するし、パフォーマンスも上がる」

 私も偉そうなことは言えないが、政治家にとってメディアトレーニングは不可欠だ。

 知り合いの大阪の記者によると、大阪の橋下市長は、知事時代から毎日30分のぶら下がりに加え、週一度の定例会見は2時間でも粘り強く、カメラの放列の前に立ち続けたという。

 あまり目立たないが、松井一郎知事も毎日、朝晩30分ずつぐらいは囲み取材に応じているそうだ。松井知事の発言も、最近は切れ味を増しているように思う。

 自民党では、「囲みはいいトレーニング」と公言しているのは、小泉氏ぐらいだ。普通、一年生に囲みはないのだが・・・

 政治家個人の発信力と、政党全体の発信力。双方の研鑽を怠っている状況で、自民党の支持率低迷が、マスコミのせいだとは、私には思えないのだ。