前田国土交通大臣が、新名神高速道路の建設凍結を解除すると発表した。これで、高槻-八幡間と城陽-大津間の2区間計35㌔の工事が全面着工されるという。

 事業費は6800億円とされているが、当初は1兆7000億ほどで、これが規格の見直しで1兆円程度とされ、さらなる見直しで現在の事業費となった。それでも当時、国土交通省の事務次官らは「1車線でもいいから通せ」と必死で必要性を主張したが、凍結が解除されることはなかった。私は高槻を選挙区とし、長年開通を訴えてきた立場なので、その経緯をよく知っている。

 いかに地元や国土交通省が、民主党に煮え湯を飲まされてきたことか。

 新名神の工事が凍結されたのは、2003年12月。ちょうど私が落選した直後だった。その後も民主党は道路建設に反対の立場から、菅直人元総理を筆頭に自民党を厳しく追求した。これに対し、小泉総理は、「(高速道路整備計画の)9342キロ、これはできない道路も出てくる」<2004年1月26日、衆議院予算委員会>などの答弁を度々繰り返した。全国でつくらない区間として、生贄にされたのがこの2区間だった。

 あえて言う。凍結解除を今、行うことは、間違っている。これは民主党政権が判断することではない。

 八ッ場ダムは、自民党が建設を進めていたものを民主党が中止した。しかし新名神は自民党ですら凍結したものを、凍結区間が短すぎると主張していた民主党が建設に着工する。あまりに筋が通らない。

 しかも、東日本大震災で公共事業を大盤振る舞いしていることを考えれば、狂っているとしか言いようがない。もはや民主党の支離滅裂ぶりは、私の理解を超えている。

 もはや、前田大臣の脳ミソは・・・