日本未公開かもしれない映画を楽しむ
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130_Margin Call (2011) / Kevin Spacey ★7.2

Margin Call (2011) / Kevin Spacey
http://www.imdb.com/title/tt1615147/
日本未公開かもしれない映画を楽しむ
じつは一週間前に鑑賞した作品なのですが、紹介を書き始めるのに手間取ってしまいました。
少なくても、作品の中身は把握したうえで、紹介しなくては。
あんまり的をはずしたことを書いても恥ずかしいし。
そんなことがブレーキになっていました。


というのも、この作品のテーマは、あのリーマンショックに代表される2007年から今も影響を受けている『the Global Financial Crisis』についてなのです。
それなりに、知識はありました。なんてたって、サブプライムローンが問題になってからリーマンショックを経て少したつと、わたしの貯金はみるみる4分の1になってしまいました。(ヤケ酒・ヤケ遊びでなくなった部分もずいぶんありますが。)
最近知り合った女性が、日本のリーマンで実際働いていて、会社が消滅したときのことを話してくれたこともありました。なんともライブ感あふれるショックな情景でした。


しかし、この作品はその金融クライシスのホンのひとコマ、きわめてディテールの細かい部分のみを描いています。
マーケットが暴落をするきっかけを作る会社のある1日を、下っ端の社員、中堅どころの社員、現場の責任者、そして会社の役員、経営者などの人物とその行動・会話を通して生ナマしく見せてくれます。
ですから、彼らが喋る金融マーケットの用語をある程度英語で理解していないと、ありゃありゃ?とついていけなくなる感じです。
一般向けに、それでも易しく説明してくれるような場面を織り込んでありますが、わたしの金融英語力ではえ?え?え?という部分も多々あり、DVDのありがたさ、何度か巻き戻しもしました。


ということで、先週は仕事から帰宅し、スポーツニュースを見ながら何度となく、ウィキなどでサブプライムの部分を眺めておりました。
そして、この作品を紹介するにあたり、行き着いた一つの答えは、サブプライムローン問題が簡単にどんなものかをウィキでみる位で、この作品を楽しむのは十分かもしれないということです。


なぜなら、より楽しむための予習などしてもしょうがない気がしました。

MBSという金融商品が大きな問題を生むのですが、その商品の出来上がり方をちゃんと理解するには、金融工学次元の知識が必要かもしれません。

そして、そのMBSがその会社にどう悪影響を与えたのかは、作品の面白味ですからここでは触れませんが、金融に詳しい人には簡単かもしれませんが、わたしのような一般人には少し難解かもしれません。

作品の舞台となる金融会社が実際どうやって誰とどんな形式でMBSという商品を取引しているかなどは、金融業界にいる人以外は分かりづらく、ウィキやQ&Aウェブサイトなどのレベルじゃ、あまり調べられないかもしれません。


じゃあ、作品を観ながら一体何を楽しめばいいのだ!?


それは、運命の1日って、こんな感じだったんだ…、という人間ドラマとして、ひとまず十分楽しめると思います。


例えば、真珠湾攻撃当日とか、歴史的にも大きな変化があったきっかけになった1日、あると思います。
今回の金融クライシスも、今の極端な円高の理由のひとつにもなっているのですから本当に大きな変化です。
そんな大イベントに、偶然にも故意にも、大きな役回りを担うことになる人々の姿で、運命の1日をヒシヒシと感じるわけです。


■□■□
この作品は、フィクションで、実際は作品と同じことが起こったわけではないようです。
舞台になった会社については、ウィキによれば、ベアースターンズかリーマンブラザーズがモデルっぽい、とありました。しかし、その会社の雰囲気は似ているとはいえ、作品中のような売買は実際行われなかったという記事もウェブにあります。
実際は2007年6月22日が、暴落が始まった区切りの日という人もいますが、この作品がその日をモデルにしているのかも分かりません。
わたしは知り合いの現役○○モルガンのトレーダー氏に作品のその辺のことを一昨日に聞いてみたのですが、まだ彼は観てなかったです。3月に日本でもDVDが出るのを楽しみしていると言っていました。


というわけで、ご自分の投資信託がいきなり半分に消えていったのを経験なさった方、マーケットの暴落にはこんな感じのプロセスがあるようですよ、というほどのスタンスでどうでしょう。


あれからすでに4年経ち、心の傷もそろそろ乾いた頃でしょうか、あまり感情的にならずにお楽しみ下さい。
とはいえ、わたしの鑑賞後は、「なんか参ったなあ…」という、これからの投資についても考えさせられてしまう、よく分からないグレーな気持ちでした。■



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