日本未公開かもしれない映画を楽しむ -2ページ目

129_Midnight in Paris (2011) / Owen Wilson ★7.8

Midnight in Paris (2011) / Owen Wilson
http://www.imdb.com/title/tt1605783/


日本未公開かもしれない映画を楽しむ

Woody Allen
ウディ・アレン


前回ご紹介のロバート・レッドフォード氏がいわゆるハリウッドのメジャースタジオから外れた独立系の映画作品を支援しているとすれば、このウディ・アレンさんは、ハリウッド系の映画産業から意識的に距離を置く映画人と言われているそうです。
例えば、アニー・ホールという70年代の監督・主演作品で、オスカーを受賞したにも関わらずアカデミー賞の式に出なかったことは有名です。


じゃ、どんな映画を作る人かといえば、自分で脚本を書き、役者と配役を決め、監督をし、そして珍しいことに主演までしてしまうのです。
そうして出来上がった作品は、オスカーにしょっちゅうノミネートされるくらい高評価です。
じゃ、私は?というと、むかしからあまり好きじゃありませんでした。日本未公開かもしれない映画を楽しむ

何故かというと、たぶん、まず見た目、がへんちくりん。

特に若い頃の作品でしょうか。


寅さんみたいに、いつもマドンナ的女優が登場しているようですが、シーン中、美しい女優と絡むあのへんちくりんなおっさんの姿に現実感が出ませんでした。
私が若い時分は、映画は美男美女が登場するのが映画、単純なものでしたから、わざわざへんちくりんなおじさんを見たいと思わなかったです。


そしてなにより、むかしの記憶では、映画作品というよりはキャラクターを通して、ウディ・アレンが自分の意見をしゃべりまくっているような気がして、正直、なんじゃ、こりゃ?と思ったわけです。
彼は、米国ジューイッシュ特有の立ち位置で物事を面白おかしく、皮肉に富んで語ることで有名でした。
ブルックリンのユダヤ人感覚溢れたメンタリティーや冗談なんて、遠くアジアは日本育ちのガキが理解できるはずが無いのです。


ですから、最近まで、ウディさんの作品はあまり観ませんでした。
ですから、正直、ウディさんの作品をあまり語ることはできません。


でも、2000年に入り、年を召されたか、自分が出演することがめっきり無くなりました。
そして、舞台も、いつも選んでいたニューヨークからヨーロッパにも広がります。
相変わらずマドンナ女優はこだわっています。


2010 You Will Meet a Tall Dark Stranger (written by) ★6.3

2009 Whatever Works (written by) ★7.2

2008 Vicky Cristina Barcelona (written by) ★7.3

2007 Cassandra's Dream (written by) ★6.8

2006 Scoop (written by) ★6,7

2005 Match Point (written by) ★7.8

2004 Melinda and Melinda (written by) ★6.5

2003 Anything Else (written by) ★6.3 出演

2002 Hollywood Ending (written by) ★6,4 出演

たぶん最新作、Nero Fiddled (2012) 出演


2005年の『Match Point』2008年の『Vicky Cristina Barcelona』、大変楽しむことができました。
往年のウディさん好きの方は苦笑するかもしれませんが、ウディさんの主張はこのくらいのスタンスが私には心地よい感じです。
日本でも一昨年くらいに公開していた『Whatever Works』も観ましたが、これは、昔同様、主演がウディさんにみえてくるようなタイプの作品でした。

それでも、よく出来た舞台のお芝居を観ているライブ感もあり、十分楽しめました。
わたしが年をとってきたからか、ウディさん作品が観易くなったのか?
最近は最新作を楽しみにしております。


そして、今日の作品、いずれ日本でも公開されると思いますが、ヨーロッパモノ、タイムスリップが出てくるファンタジーがとってもオシャレで、のんびりしていて、かと言って含蓄にも不足はないようで、相変わらず米国女性が皮肉られていて面白く…
とても好きな作品になりました。


米国から婚前旅行でパリに来たカップルの話しです。
オトコは小説家を志す、ハリウッド用の脚本ライターで、オンナは美人でお嬢様で婚約者です。
いったいオトコは、旅先のパリでどんなタイムスリップを経験するのでしょう??
ゼヒお楽しみにしてください。


もし、ご自身でなにか創作活動などされている方がこの作品を観ると、すごいペースで作品を世に出し続けているウディ・アレンさんの、今回は押し付けがましくないメッセージに、まるで主人公のように考えさせられることもあるかもしれません。

個人的には『Vicky Cristina Barcelona』、そして今回の『Midnight in Paris』、まるでそれぞれの街の雰囲気がそのまま作品に反映されているようで、作品の雰囲気の違いに、名人芸を感じました。