11月22日『怪ほどき屋 からむ因果の糸車』が発売されました。
7月25日の発売から約4ヶ月…がんばりました。

二巻は逗子、秩父、八王子が舞台です。
近場ですね。

第一話の冒頭は、kindle版で無料で読めますので、お!これは面白そうだぞ!と思われましたらそのままkindleで続きを購入することもできます。

あ、KADOKAWAですのでBookWalkerもオススメです。
文庫を購入するも良でございます。
何度も言ってますが、いずれも読者さんの買いやすいところで購入していただければ幸いです。



二話の舞台の秩父には西武線の特急で行けます。
西武線の特急ニューレッドアロー号。ボクも乗ってみたいです。
池袋から乗ると最初の停車駅は所沢。
ボクの住んでる駅を完全に通り過ぎてしまって
なかなか乗れないでいるのです。

秩父までいけば、夏の間ならSLパレオ号にも乗れます。
子供の頃、九州で蒸気機関車に引かれる客車に一回だけ乗った記憶があります。
トンネルに入るときには窓を閉めるのです。
そうしないと排気煙が客車内に入り込むのです。

ちなみに奈ほどではないですが、ボクも鉄道や駅弁はそこそこ好きです。



さて今回はキャラクターの話。

奈はどうやって生まれたのでしょう?
今となっては生まれたタイミングは定かではありません。

ただ最初は「『スティング』みたいな話を書きたいね」とみなみ先生と二人で話してました。
それがどうしてこうなったんでしょう(笑)


1973年の名作映画です。
若い人は観たことない方も多いかもしれません。
80年代くらいまでは、よくテレビの映画劇場で放送されていたので、40代~70代くらいの人には知られている映画です。
1500円くらいでDVDが買えますので、騙されたと思って買ってみてください。


『華麗なるペテン師たち』というイギリスのドラマがありまして、コレがまた面白いのです。
作中で「ラジオ」という手法の騙しがあります。
これは映画『スティング』へのオマージュです。
この手法はいまでも使われていて「当社ではlotoの当選番号が事前に分かります。是非会員登録を」というのが、それです。

なんの事はないやり方なのですが、これから『スティング』を観る方のために詳しくは書きません(笑)

つまり奈は、最初から「騙す人」として考えてたわけです。

俗に「一番怪しまれない詐欺師はサラリーマンの格好をしている」といわれていますが、奈は見るからにいかがわしいですよね。

そんな男に騙されてしまう人はお人よしなのでしょうか?
いいえ、いかがわしさが過ぎて、なにが本当でなにがウソなのか分からなくなってしまっているのです。

モデルにしたのは、年齢やファッションは違いますが、いつもニコニコしていて子供のように楽しんでいる…
そう!『機動警察パトレイバー』の内海課長です。
『シャドウネゴシエイター』の有人は、同じく後藤隊長のように普段はボヤ~としているけど、実はキレ者タイプのキャラクターとして考えていましたので、ボクの中にはゆうきまさみスピリットが染みついているんでしょうね^^


善くんの「生き餌」キャラは、ライトノベルで思いついたネタです。
夜のビルの屋上に長い釣り竿を持ってたたずむ少女。
彼女は夜な夜な怪しいものを釣り上げては処分している。
どこか寂しげな彼女を見ているうちに、ボクは彼女の生き餌になった。

そんなアイディアでした。

編集部の判断は「アイディアは面白いけど。釣りは若い人にアピールしないからダメ!」でした。

でもアイディアは面白いって言われたからキープしておこう!っていうことで「生き餌」として奈に振り回される事になりました。
生き餌というか、置いとくと勝手に怪が寄ってくる撒き餌ですね(笑)

三人の中では、雪緒が一番カタチになるのが遅かったです。

キャラクターを作る時は、俳優さんやマンガやアニメのキャラ(声優さんの声も含む)をふんわりと当てて考えるのですが、雪緒の性格やディティールは書きながら考えていく感じでした。
真面目で聡明で礼儀正しくて…たしかに秘書っぽいですがそれだけでは面白くないんですよね。

なにか少し身近に感じられるような、残念さが欲しい。
かといってあまりドジっ子にするのも世界観を壊してしまう。
奈との関係は?多賀宮の事をどう考えている?
エピソード毎に揺れがあるのを何度も読み返して確認して…足りないのは分かっているのだけれど、なにを足せば(引けば?)いいんだろうと
試行錯誤している時に「どういう香水をつけているんだろうね?」とある人に言われました。

あまりマンガでは使わないキャラつけの仕方なので、ハッとしました。
でも読んだ人のイメージに訴えかける小説なら生かせるやりかたです。

これで雪緒が生きた!そう感じた瞬間でした。



しかし奈はよくしゃべります。
いっぱい喋るので、あちこち黙らせなくてはなりません。

三巻の発売日なんですが…他の作品のタイミングとかあって実はまだ決まっていません。
ごめんなさい。

でも出ないってことはありません。2015年もがんばります。

出版社の中の人も騙す感じで(笑)

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