以前、ある海外映画版権のライセンスをしようとしていた事がありました。(最終的にはライセンス営業サポートをしました。)
その時、海外から来た担当者の皆さんは、「我々はこれだけ多額の投資と宣伝をするので、ライセンスなんて簡単でしょ?」というような態度で、我々の事を「売れているコンテンツ」に群がるハイエナ的見ている感じでした。
確かに多額のお金をかけて制作するコンテンツを作る事は素晴らしいと思います。
ファンの方々はコンテンツ自体に魅了されるでしょう。
しかし、「いいコンテンツ=商品化で成功」するとは限りません。失敗する事も珍しくありません。
我々はライセンスをする時、いくつかのカテゴリーに分けます。
①ブランドイメージを作れるライセンシー
②知名度を上げるためのライセンシー
③特定ターゲットに向けた商品を作るライセンシー
④企業CMやキャンペーン
といった感じです。
①は、アパレルやアクセサリーなどの会社が多いです。②は、マス的な展開が出来る大きな会社。③はガチャガチャやクレーンゲーム商品など販売場所が限られるライセンシーやアニメ流通、LINEスタンプなど1ライセンシーでも成立するものです。
そして市場に合ったクリエイティブやプロモーションをメーカーさんと話をしながらデザイン、売場を決めて行きます。
先程の海外映画のライセンスに話を戻します。
映画の宣伝費をかけて知名度が上がるからライセンシーが集まってくるというのは間違った考え方です。
そこに「キャラクター商品の」PR、プロモーション、売場という観点が抜けています。
宣伝は映画のためにはするのですが商品のためには行いません。映画は宣伝するのでヒットするかもしれませんが、グッズの宣伝は欠如しているので売れるとは限りません。
「知名度=売れる」訳ではないのです。
キャラクターの売場は一過性のキャラクターを嫌います。
どちらかというと、今は一過性のものよりも「継続的に売れるキャラクター」を探しています。
年間で安定して商品を供給するもののほうが効率もよく、お客さんも「ここに来ればこのキャラクターがある」と店に定着しやすいからです。
仮に大きく売場を作り、映画が3週間で打ち切りになってしまったら、在庫の山になってしまいます。
クリエイターさんの作品もまだ「一過性」とみられる傾向があります。
日本のクリエイターさんの作品はキャラクターはかなりレベルが高いと思います。
そしてLINEスタンプの影響からか、知名度が高くライセンスにつながりやすくなってきており、5年くらい前と比べると少しづつですが、こういった新進気鋭のアーティストさんの作品がデビューしやすい環境が出来てきました。
こういった市場環境で、最近では各ショッピングビルが「POP UPショップ」「ワゴン販売」
などミニ催事でスペースを提供していただくようになりました。
「POP UPショップ」「ワゴン販売」は以下のような利点があります。
①ファンが多く集まるので、「売れた実績」が作りやすい。
→その実績を業界誌にリリースし業界へのPRにつながる。
②小売店のそばで開催するとその店へのアピールにもつながる。
③ファンの顔が見える。
④売れるデザインの傾向が分かる
⑤PR、宣伝につながる
などなど、宣伝的な要素と併せ、ライセンシーの開拓にもつながります。
最近ではクリエイターさんの「POP UPショップ」「ワゴン販売」も受け入れる流通が増えてきているので、ご興味ある方はぜひやりたいお店に直接アプローチしてみるのもいいかと思います。
キャラクター商品をヒットさせるかどうかという観点からすると、映画キャラクターは映画の宣伝だけでは売れず、キャラクター商品のための宣伝が別に必要です。
商品化の立場から言うと、クリエイターさんの作品も映画の大作も同じフィールドに立つ事が出来ます。商品化の宣伝次第では、個人クリエイターさんが、大作映画よりヒットをする事も可能でしょう。これは他の国ではあまりないジャパニーズドリームが実現出来る魅力的な市場です。
今、弊社でライセンスしている作品は、作者の皆さんにしっかり告知していただけるので、「売上」という形で少しづつ結果が出てきています。これを続ける事がヒットにつながるのは、今も昔も変わりません。
「キャラクター商品化展開」にご興味のある方は、自作商品の小売店販売、ワゴン販売、POP UPストアなどにもぜひトライしてみてはいかがでしょうか?
キャラクターは、こういった活動をすればするほどヒットの確率が上がります。逆に言うとこいった宣伝、PR、イベント、売場作りをしいていないビッグコンテンツより大きなヒットになる可能性があるという事です。
私は、短期的な視点で結果が求められるビッグコンテンツよりしっかりしたファンを獲得し、長く愛される作品につながりやすいのがクリエイター作品だと思っています。
ぜひヒットの確率を上げる活動をしてみてください。