明日8月2日は、赤塚不二夫先生の8回目の命日です。
あらためてご冥福をお祈りします。
今、赤塚不二夫のビチュツ展に関わらさせていただき、命日のこのタイミングでまた、ご縁があったことを不思議に感じます。
2008年赤塚先生がお亡くなりになった際に名古屋のイベント会場にいました。
施工の準備をしていたのですが、そこに1本の電話がありました。
ラジオ局からでした。
「赤塚先生の訃報に際してコメントをいただけませんか?」というものでした。
特にお仕事もしたことも面識もなかったのに、なぜ?と思った記憶があります。
よくよく聞くと、キャラクターの専門家からコメントをもらいたいからという事でした。
2005年に書いた「100年愛されるキャラクターの作り方」という本 を見て連絡をしてきたようでした。
しかし。結構な無茶振りです。(もっと身近な人に聞くのが普通ですよね。)
普通なら断るのですが、なぜか「せっかくの機会だから」とお受けすることにしました。すでにここからご縁があったのでしょう。
全文は覚えていないのですが、「キャラクター」の観点から先生の作品を見ると1960年代とは思えないほど斬新で漫画がなくても十分通用するキャラクターだけでも楽しませてもらえるキャラクターばかりが思い起こされます、と話した記憶があります。自分も子供時代に先生の作品に魅了された一人なのですが、子供たちがわくわくするようなキャラクターばかりでした。
そしてその時「ウナギイヌ」の話をしました。当時、普通の動物キャラクターだけでも結構斬新だった時代に、2つの生き物を掛け合わせるというミックスキャラクターを作った発想は凄い、という話をした記憶があります。
2000年前後に「すしあざらし」や自分がプロデュースした「ライトン」(電球とブタのミックスキャラクター)などミックスキャラクターが多く出てきましたが、1960年代にヒーロー、ロボットを除くと、キャラクター自体そんなに登場していない中で、異次元な位に飛びぬけたものだったと思います。
そして漫画家としてだけでなく、現代なら「キャラクタークリエイター」という観点からも当分出てこないであろう存在だと思います。
さて、今日の本題「キャラクターを作るとき何から始めますか?」。
天才的な才能の持ち主でなくても、ひとつだけ学べる事があります。
それは、「読者、消費者を喜ばせたい、楽しませたい」という気持ちを持って作品を作ることです。
キャラクター作家の皆さんは絵が上手いので、絵から描き始める人も多いのではないでしょうか。
以前ピクサー展に行ったことがあります。(先日のものとは違います。)
ピクサー展なのにほとんどCGがない展示でした。
会場を奥まで進んでいくと、中盤を過ぎたあたりに1枚のパネルがありました。
その中には「ピクサーはCGの技術が取りざたされることが多いですが、作品作りの3分の2は、コンセプトを練ったり、キャラクターデザインを行うことだ」という主旨のことが書かれていました。
「売れ筋」や「傾向」を追うのはベースとしてあっても、どういった作品にするのか、コンセプトや世界観、伝えたいことなどから考えてから描き始めることをお勧めします。
弊社でエージェントをしていたある作家さんたちもそうでした。
企画のブレストがいつも楽しく、いろいろなアイデアが出てきました。これがそのまま世の中に出て行ったらお客さんは楽しむだろうな、と思わせてくれる作品ばかりでした。
ただ、そんなアイデアも商品化されヒットしたものもあれば、話題になる傾向やメディアに乗せられなかった当時の自分の実力のなさを今では悔やむものもあります。
キャラクターは、作るだけ、描くだけではだめで、”いかに時代の風に乗せていくか”を考えながらコンセプトや世界観、メッセージを表現していくかが重要と思います。
先日、展示をしていた際にフジオプロの方からいろいろとお話が聞けました。
そのお話を聞くと、赤塚先生は、時代の風を読みつつ、そこにずば抜けた発想力そしてそれを表現する常人には分かりえない力を出し作品を作られたのだということが分かりました。
そのような天才でなくてもしっかり時代を読み企画を立ててキャラクターを作ればヒットの可能性は上がります。
キャラクターを作るとき、作品を作るときは、どんなものにするかをしっかり考える。そして、何のメディアに乗せ、お客さんにゾクゾク、ワクワクして喜んでもらえるような作品にそれがなりえるかを考えて世の中に送り出してみてください。