今年も残すところあと3日。今年のライセンス市場はいろいろ転機となる1年でした。
きょうはちょっと長めにライセンスの仕事について書いてみたいと思います。
◆今年のライセンス業界の傾向
今年は誰もが知るところですが「妖怪ウォッチ」の登場やロングランで「アナと雪の女王」がヒット。
子供だけでなく、大人にも同時に両作品の商品ニーズが生まれる珍しい展開になりました。
北欧ブームもあり、「ムーミン」「リサ・ラーソン」などが百貨店催事で展開され、キャラクターの原画展や歴史を紹介するイベントも増えました。
そして、近年のご当地キャラも継続。ビジネス的には「くまもん」のような大きなものはなかったですが、「ふなっしー」や「おかざえもん」「バリィさん」などの新しいヒットも生まれました。
この新しいヒットの市場に、ディズニー、サンリオ、サンネックス、ピーナッツ、ミッフィー、東映アニメ作品、ワーナー、アンパンマン、ドラえもんなどのビッグコンテンツが入り、お分かりの通り新しい作品の商品市場が生まれにくい市場になりつつあります。
LINEクリエイターズスタンプが誕生し、クリエイター作品が個人的にビジネスになるクリエイティブ流通も生まれましたが、商品市場にはまだ影響のある作品は生まれませんでした。
◆キャラクター市場の2極化
ずっと言われている事ですが、キャラクター市場では2極化がかなり決定的になってきました。
安定した売場を持つ「定番」キャラクターが1極。
ディズニー、サンリオ、サンネックス、ピーナッツ、ミッフィー、
東映アニメ作品、ワーナー、アンパンマン、ドラえもんなどが
それです。
そして、小売店が短期的に売上と集客の取れる流行キャラクターがもう1極。
短期的なヒット作品の市場です。最近では、ご当地系のキャラクターや短期的にテレビなどで話題になるがそれキャラクターがそれです。
◆クリエイター作品の将来性
こうしてみると、キャラクターを作っているクリエイター作品は、将来市場がないように見えます。昔のように「あなたのキャラクター、作品が気に入ったからウチでやってみよう!」という機会はほとんどなくなるでしょう。そして、既存キャラクターに売上を依存している大手流通には、クリエイター作品が定番として入る機会は減少していくでしょう。
流通バイヤーは、「育てる」より「短期的に売上を取る」のが求められています。現段階では知名度がなく、長期的に育成し、労力のかかるクリエイター作品になかなか勝負をかけられない環境にあります。
そんななかですが、今までキャラクターを扱わなかった市場が出てきています。インテリア、デザイナーショップ、デザイン文具店、アート雑貨店など。大手の小売店をやめた方が独立して自分のやりたいことをすべくオープンした店や今までアパレル、インテリアなど、キャラクターを扱わなかった流通が扱いだしているケースも多く見られるようになりました。
◆ライセンスを成立させるには?
でも、ここだけではライセンスは成立しません。ライセンスを受けるメーカー企業が作る商品の卸先のメインが大手チェーン流通がほとんどで小さなショップまでライセンス商品を販売するきめ細かい営業ルートを持っていません。
営業マンの評価は売上をどれだけ上げるかがポイントです。「このキャラクター大好きだから売れないけど売り続けます!」という営業は、会社としては評価しないでしょう。経済活動をしている企業としては、ごく当然の事で健全な思考です。
では、どうしたら自分のキャラクター作品をライセンスにつなげられるのか?
いくつか方法はあるのですが、まずは知名度、実績を上げることです。
①既存のライセンス市場ではないところで知名度、実績をあげる
自分でグッズを作り、個人雑貨店などに卸し、販売実績を作る。
ライセンス契約ではなく実績を作るため売り切りのデザイン仕事でも受け商品化を実現する。
デザインフェスタで爆発的に売れる実績を作る。
著名なクライアントの広告などで使用される。
雑誌での連載を行う。
アプリなどにキャラクターを供給しライセンスにつなげる
など。
個人でできる範囲は限られていますが、小さくても個人で作れる話題を作ることです。
昔は、キャラクターをヒットさせるには、ある程度の知名度もしくは、ユニークさだけで売れることもありましたが、今は、知名度とユニークさだけでは、ライセンスにはつながりません。
2~3年位かかるかもしれませんが、1店舗でもいいので、コツコツと実績を作ることです。
②海外にライセンス
海外で評価の高い日本のデザイン。海外向けにポートフォリオを作り、メールなどで営業してみるのもいいでしょう。ウチの会社にも海外からどんどん売り込みが来ます。彼らは、ビジネスチャンスを求め公式Facebookやツイッターなどでフォロワーを多く獲得し、それをベースに売り込んできます。これも一朝一夕ではできませんが、1年かければかなりのフォロワーも付くと思います。海外でヒットさせ、日本に逆上陸というパターンも今後は生まれてくるのではないでしょうか?
③ライセンスしないで自分で商品を企画製造販売する
ライセンスビジネスには頼らず自分で商品を作って販売していく。上記のような感じでライセンス市場では個人クリエイターが成功する確率は以前と比べ低くなってきています。
であれば、自身で商品を作り販売し、そこでビジネス化していくという選択肢もあります。
④ブームカテゴリーをつかむ
ここ数年「定番」ではない短期的なブームを作るいくつかのキーワードがあります。2-3年位でそのブームカテゴリーはニーズが減少しますが、その市場を予測しキャラクターを作ってみるというのも一つのアイデアです。2000年前後だと「クリエイター」「ソフビ」「アート」、数年前までは、「絵本」「海外アニメ」「デザインリメイク」近年だと「北欧」「アプリ」「ゆるキャラ」「SNS」「おバカ・ユニーク」などがキーワードとしてあげられます。
⑤継続
自分の作品を好きになってくれる人を一人でも増やし、そのファンの皆さんに作品を継続して露出し続ける事。
以前のように「かわいい」だけで売れる時代は終わり、仮に売れたとしても継続して売れて行く抱く品は一握りになってしまいました。ライセンスビジネスが成立している大手流通が、「定番思考」&「短期話題」の2極を好む今、何の実績もなく今まで通り、「この作品はどうでしょう」という売り込み方では、玉砕の可能性が高いでしょう。
とはいえ、SNSや小さな流通でも実績を作れる時代に入ってきたので、発送を転換し、ポートフォリオの内容、提案先、提案内容を変える事で、逆にクリエイターとしてヒットを生み出す確率が上がると思います。
「実績を作って売り込む事」が大事です。
ウチの会社では、今お預かりしている作品で精いっぱいなので、新しい作品のエージェントはお断りしているのですが、個人でもヒットの可能性が増えているので、ぜひいろいろな方法で「実績を作って」ビジネスを広げて欲しいと願っています。
2015年も日本のクリエイター作品が国内外でどんどん流通して行く事を願っています。