愛猫の診察&マイクロチップ挿入のために○△家畜診療所(犬猫病院)を久しぶりに訪れた。建物も新しくなり、待合室もきれいで容姿の整った女性が受付をしている。
「ずいぶん変わったな...。」
かつての家畜診療所は物置か倉庫みたいな感じでそこに獣医のお姉さんがジーンズの上に白衣を引っ掻けて座っていた。
ドイツ文学者愛犬ブルックナーは獣医さんが大嫌い。あからさまに敵意をむき出しにして唸りだす。当時の私はT女子高一年生、夏休みにドイツ文学者宅に帰ってきた。そして、愛犬ブルックナーの体調が思わしくなく、家畜診療所につられてきたというわけだ。

長い髪を後ろで結わえた獣医さんは、A中学の体操着姿のわたしに
「ほら、犬を押さえて!」
という、わたしは敵意むき出しのブルックナーが怖くておじけ抜く。
「なにやってんの!飼い主がそんなことじゃだめでしょっ!」
とまるで学校の先生のように叱責する。そして白衣を脱いでブルックナーと格闘し、ブルックナーを、へっどろっくで押さえつけ、そしてわたしにブルックナーに猿ぐつわをするように指示した、
「ほら。なにぐすぐすしてんの!」
「犬にも人間にも怖い獣医さんだな...。」
とつくづく思った。

獣医のお姉さんは白衣を片手にジーンズにダンガリーシャツ姿で
「飼い主がこんなことじゃだめでしょっ。」
とまた職員室の学校の先制みたいに説教する。
「犬にも飼い主にも怖い獣医さんだな。」
美人ではないもののジーンズにダンガリーシャツが様になっている私にとって自立して職業を持った女の人生の先輩のように輝いても見えたけど、これ以上に恐い存在だった。

そして昭和平成令和と年号は変わった。
コロナ騒動にまさかのワクチン接種券紛失騒動、いくら探しても出てこない。再発行はとても面倒くさいらしのでワクチンやめて美容にもいいビタミンCサプリ沢山飲んでなんとか済ませてきた。
そして猫たちのマイクロチップ。

久し振りに家畜診療所にいく。
そこにはおばさんというかおばあさんの獣医さんがいた。メイクの仕方がヘンテコで変なところにチークいれている。しかしほくろの位地は変わらなかった。あの犬にも飼い主にも恐い獣医さんだったのだ。それに気がついた私は身構えてしまった。また職員室の先生みたいに説教始まるんじゃないか???
今回は説教なしだったが、しかし体型は大分変わっていた。あの頃のジーンズは到底穿けないだろう。あのジーンズにダンガリーシャツのお姉さんが...
変なところにチークを指すおばあさんになってしまっていたとは...。











 

 

 

 

 

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