食堂うしおの赤うに丼
ご覧下さい。この山と積み上げられた黄金の如く輝きを放つ絶海の至宝を。──私は未だかつてこれほどの生うに丼と出会ったことはありません。
昨日の記事 では積丹半島は神威岬について記しましたが、まさに岬の手前に位置する老舗食堂「うしお」にて、この極上の赤うに丼を食することが出来るのです。
夏場のみ漁の解禁される積丹産のウニは北海道随一と云われており、それは即ち日本一と云っても過言ではありません。通常ウニは時間が経つと溶けてしまう為にミョウバンや塩水に浸して保存するわけですが、この店のウニは朝一で獲れたものをそのまま出している為、完全なる無添加無加工のウニ本来の味を存分に堪能出来るのです。
バフンウニは通称“赤うに”、ムラサキウニは通称“白うに”と呼ばれていますが、味・希少性・値段共に上回っているのは断然この赤うにであります。上の画像はまさにその赤うにを大量投入した1日10食限定の贅沢極まりない名実共に日本一の生うに丼であり、もはや丼と云えども銀シャリは確認出来ません。
わさび醤油を振って一口掻き込めば、瞬時にして口内はウニの甘みと磯の風味が溶け出します。元より私はそれほどウニ好きではありませんでしたが、それは“本物のウニ”を知らなかった私の愚かさでした。信じられぬ美味さに言葉さえ失います。
更に私の口に襲い掛かるのは新鮮なツブ貝とアワビのコンビネーションであります。食卓に並べられてなお生き蠢いている貝を噛み締めた時、その心地良い歯応えと弾け出る貝のエキスの波状攻撃に期せずして恍惚の笑みすら浮かべている自分に気がつきました。
夏の積丹半島を旅しようと思っている方がいらっしゃるならば、必ずこの赤うに丼とツブ貝とアワビは召し上がることをお勧め致します。死ぬ前に『人生最後の食事は何にしますか?』と訊かれたら、私なら迷わずこの3点セットを求めるに違いありません。
最後の画像はおまけです。食堂うしおで販売している「神威岬到達証明書」ですが、7月14日14時56分と刻印されました。しかし実はそれは神威岬に到達した時間ではなく、赤うに丼を食べ終わった時間であることは誰も知るはずはありません。


