卒煙宣言 - 声帯ポリープ闘病記 Vol.10 | 小野寺昭憲オフィシャルブログ - 破壊と創造の記録 -

卒煙宣言 - 声帯ポリープ闘病記 Vol.10

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 私の入院しているのは某大学病院なのですが、本日は毎週火曜恒例の“部長回診”の日でありました。

 先陣を切る耳鼻咽喉科の教授、連なる眩いばかりの白衣を纏った医師と助手の一行が廊下幅一杯を闊歩する堂々たる様は、田宮二郎こそ見当たらぬものの“財前教授の総回診”を想起させずにはおれません。

 教授は私の鼻の穴からファイバースコープを突っ込んでは喉頭を覗き見、『声が出せなくて大変だねえ。でも一生に一回のことだから』などと呑気なことを云っていましたが、教授の部下で私の担当医は『喉に負担掛けたらポリープは再発しますよ』と云っていました。つまり一生に一回かどうかは、今後の私の心がけ次第ということです。

 声帯は人体においても非常にデリケートな部位であり、退院後の養生次第で元の声に戻れるか否かが決まります。無論一週間も使っていなかった声帯の筋肉は衰えており、今後はリハビリ(ボイストレーニング)も必要になるとのこと。当分の間は喉を庇護し刺激物は控え、大声を出さぬよう生活すべしとのお上のお達しでした。

 刺激物の中でも特に喫煙は声帯を痛める要因であり、今回は単なる声帯ポリープで良かったものの悪性であらば喉頭癌の可能性もあったわけで、かくなる上は禁煙ならぬ“卒煙”を成し遂げる以外に我が声帯の生き残る道はなしとの結論に至りました。

 幸いにも入院をきっかけに既に6日間、煙草からは遠ざかっております。これを機にタールとニコチンに魅せられた愛煙家10年の歩みに終止符を打つのも、欠けがえのない健康を思えば致し方ありません。これで声帯は蘇るのです。

 ――最初で最後の部長回診を終えた午後の陽射しのまどろみの中で、ふと財前教授の死因が癌であったことを思い出しました。