手術当日 - 声帯ポリープ闘病記 Vol.5 | 小野寺昭憲オフィシャルブログ - 破壊と創造の記録 -

手術当日 - 声帯ポリープ闘病記 Vol.5

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 手術に及んでは、術中嘔吐を避ける為に昨夜零時丁度から断食、水一滴も許されぬラマダンの如き状況が続いておりましたが、いよいよ本番当日を迎えました。

 画像は人生初の点滴であります。脱水症状を防ぐため水分補給の輸液を投与されるわけですが、前腕筋が邪魔して針が血管に至らず、最初に左腕失敗、次に右腕失敗した時には思わず看護師に念押ししてしまいました。3度目の正直、最後は無事左腕血脈に針が突き刺さり御の字です。

 断食から12時間後の正午近く、とうとう私の元にお迎えがやって参りました。いつものキュートな看護婦さんに付き添われ、点滴を片手に歩いて手術室に向かいます。この廊下を帰りは寝ながら搬送されるのです。

 手術室はテレビや映画で観るより予想外に広く、箇所々々に点在する無機質で金属的な機器類が意味不明な電子音を発しておりました。グリーンの手術衣に身を包んだ執刀医と助手合わせて5~6名が私を取り囲みます。私は上半身裸になり、手術台の上に寝かされました。

 医師が『眠くなりますよ』と云うと、点滴の管に麻酔液を注入し始める様が視界の端に確認出来ました。朧になりつつある意識の中で、最後に聞こえた『150』とは恐らく液量のことでしょうか。

 人生初の全身麻酔とは、まさに文字通り“酔い”でありました。しこたま酒に呑まれた酩酊の感覚が急激に襲い掛かったかと思うと、心地良い酔いの裡に眠りの渦に引き込まれていくのです。

 ――気が付けば、病室でした。覚えているのは手術台の上で聞こえた『終わりましたよ』の誰かの声と、6人掛かりで台からベッドに移される時の衝撃、病室に搬送される時のあの廊下の震動、そして何故か中途半端にずり下げられたパンツです。

 ――手術は成功したのです。