「誰も守れない」 | 小野寺昭憲オフィシャルブログ - 破壊と創造の記録 -

「誰も守れない」


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 昨夜録画しておいたフジテレビのドラマ「誰も守れない」を観ました。どうしようもなく軽薄で下らないドラマが垂れ流されている昨今、久々に食い入るようにテレビを観た気がします。


 現在ロードショー中の君塚良一監督の映画「誰も守ってくれない」 の4ヶ月前の出来事を描いたドラマが本作「誰も守れない」です。脚本はもちろん君塚氏。監督は映画のほうで監督補を務めた杉山泰一氏。映画では“加害者家族の保護”を描いたのに対し、このドラマでは“被害者家族の保護”を描かれています。このテーマを対にした映像化は、ありそうで無かった視点です。


 主演の佐藤浩市氏は流石の存在感で、無言でいても表情から言葉が溢れ出てくるようです。素晴らしいです。松田龍平氏も日に日に父親に顔が似てきて優作ファンには堪りません。全編手持ちキャメラのドキュメンタリータッチな映像も、観客が現場を覗き見ているかのようなリアルさを与えます。


 もちろん面白かったのですが、ただ内容は尻窄みの印象を受けました。映画の撮影の最中にPRも兼ねて急遽このドラマ制作の企画が立ち上がったというエピソードを聞いても、なるほど確かに後半雪崩の如く収束して呆気なく結末を迎え、ラストは映画へと繋がるという組み立てになっており、全体を通して多少の粗さ、強引さは否めません。犯人逮捕より“被害者家族の保護”を描くことに重きを置いたと云われればそうかも知れませんが、私は個人的に何か物足りない感じがしました。


 しかしこれで映画「誰も守ってくれない」が俄然観たくなりました。流石はフジテレビ、巧みな戦略です。映画の封切日に連動型ドラマをオンエアとは──私は明日まんまと劇場へ向かいます。



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