「あなたが寝てる間に」のちいさなつづき      | チェ・ヨンよん4

チェ・ヨンよん4

チェ・ヨンに夢中の管理人です♪
完璧に管理人の妄想のお話です。
感じ方は人それぞれ。
自分と違う、と思った方はどうぞお引き取り下さいませ






まぶしい

お日様の光が、障子の隙間から流れ込んでくる

朝が来たんだわ

大きく伸びをする

ん?
体中が、痛い
いつもと違う、違和感

扉のほうから、ユラさんの声がする
「医仙さま!お目覚めになりましたか?」

返事をするために寝台から降りようと、上掛けをめくった

え???

自分で、自分の裸におどろく
カラダ中に広がる、無数の赤い小さなあざ

なによりも

寝台から降りようとして、そのままぺたんと床に腰をおろしてしまった
自分の体

立ち上がることも出来ない

足に力が入らないのだ

「医仙さま、どうかなさいましたか?」

返事がないので、何事かと思ったのかしきりに声をかけてくる
しかし、返事がなければいつも勝手に入ってくるムガクシに
その気配は、ない
どこまでも気が回る男が、なにごとか伝えたのは間違いない

はずかしいのと
少しばかりの怒りが交互に湧き起こる

私は、叫んだ
「テジャンを呼んで!私が大至急来るように、って言っている、と伝えて!」





*********



「医仙が?」

テマンが、ムガクシからの言伝を耳元でささやく
午前の鍛錬を見回っていた俺は、思わずテマンの顔を見る

間違えたことを伝えてないぞ、というように何度もうなづくテマン

俺は、鼻の頭をぽりぽりと掻いた

一夜を共にした女人に会いたい気持ちと
もしかしたらなにか言われるのではないか、という恐れと
複雑な気持ちになる

いつも俺のことを気遣い、自分は後回しにするイムジャが
大至急、というからには何事かおこったのだろう

俺はチュンソクに声を掛けると典医寺に向かった



********




「イムジャ、チェ・ヨンが参りました」

部屋の扉の前では、ユラとハニョンが俺の姿を見てほっとした顔をした

聞けば、部屋には絶対に入るな
とにかくテジャンを呼べ、とそればかりだそうだ

二人を下がらせると、朝、幸せな気持ちで出た部屋に足を踏み入れる

そのとたん、ちいさな枕が俺に向かって飛んできた

「なっ・・・」

俺は、ひょい、と顔を左に倒し、よける
そのよけたところに、イムジャの靴が飛んでくる
今度は鬼剣を持った手で靴をはたく


次々と、手当たりしだい、といった感じに
いろいろなものが 俺に向かって飛んでくる

寝台をみやると、イムジャの姿はない

「イムジャ???」

物が飛んでくる隙に目をうごかすと
寝台の横の床に、うすい布団にくるまったイムジャが
ぺたん、と座っていた

顔を真っ赤にして、俺を睨みつける

「どうしたんですか?」

「どうしたもこうしたもないわよ。わたし、立てないのよ!」

目から、ぽろぽろと涙がこぼれていた

「立ちたくても、立てないの。
服を着たくても、あなたはご丁寧に卓の上に服をたたんでおいていってくれて。
そこまでも、私、歩けないのよ・・・」

涙を流しながら俺に訴えるイムジャが
ものすごく、かわいくて
愛しくて

俺はつい、にんまりしてしまった

「笑わないでよ!」
近くに投げるものがなくなったのか
イムジャは両手で顔を覆う
「笑わないで・・・」

俺は、傍によると、布団ごとイムジャを横抱きにした

「チェさん・・・」
「俺のせいです。俺が嬉しすぎて、あなたに無理をさせてしまった。」

ゆっくりと、寝台にイムジャをおろす
すぐ手の届くところに、服ももってくる

「ユラたちにも見られたくなくて。だから俺を呼んだんでしょ?」
こくんとうなづくイムジャの頭を俺は抱きしめる

「すまなかった。あなたを笑ったつもりはない。
あなたが可愛すぎて、つい、笑んでしまっただけです。
・・・今日は、仕事はお休みください。
体調が悪いと、チャン侍医に伝えておきます。」

衝立にかけてあった夜着を手渡す
「これを着て。今日は一日横になっていてください。
あとで、粥でも運ばせます。
仕事が片付いたら、また、伺いますから・・・」

イムジャが、夜着を抱えたまま、じろりと睨む

「今日は、いたさないわよ」
「わかっております。ただ、傍におりたいのです。
・・・いけませんか?」


なんでだろう?
こんな浮ついた言葉、言ったことがなかったのに
スラスラと出てくる自分に少しあきれる

この人に出会って、俺は本当に変わった

うまれかわった、ような気がする


寝台の端に腰を下ろすと
柔らかな髪をなでさする


「つらい、ですか?」
「うん」
「痛い、ですか?」
「うん」
そうして、俺の胸にあたまをコトン、とあずける
「でもね、ここは」
そういって自分の胸に手をおいた
「すごく、満ち足りてるの」


胸においたイムジャの手を、俺はそっと握る
「俺も、です」
イムジャの肩を抱き寄せ
握った手に、くちづけた








*********





もう、すっかり日が暮れた

カラダはきついけれど、気持ちは高麗に来てから一番充実していた

好きな男が出来て
好きな男と情を交わせたことが
こんなにも自分を満ち足りた気持ちにさせるなんて

好き、といわれたことはないけれど
それでも、男の言葉や、しぐさや、行動のひとつひとつが
好き、っていう言葉以上に私に想いを伝えてくれる

しあわせだな、ってかんじるの


扉が、あいた

「遅くなりました。思ったより、時間がかかった」

もう、扉の前で遠慮することも、しない

すたすたと、寝ている私の傍に来て
寝台の端に、座る

「土産です」

包みから出てきたのは
砂糖をまぶした、胡桃菓子
私が好きなのを知ってから
町に出ると買ってきてくれるようになった

「ありがとう~!」

からだを起こして座りなおすと
ひとつつまんで、口に入れる
「おいしい~~~」
にっこり笑う、私に、チェ・ヨンも微笑み返す

「砂糖がついてますよ、はしたない」
え???
どこ?

「ここですよ」
チェ・ヨンの顔が、すぐ近くに来る
ぶ厚い唇が、私の口をふさぐ
砂糖まみれの唇をヨンの舌がなめとる
それがくすぐったくて、口づけしながら口角が上がってしまう


長い口づけのあと、私はヨンをにらんだ

「今日は、いたさない約束よ」

「ええ、いたしません。
けれど、口づけは違います。
それともイムジャは嫌いですか?」

この男・・・
こんなに口がうまかったっけ?
嫌いなはず、ないじゃない!


わたしはゆっくりと
チェ・ヨンの首に腕を回した







ヨンは、私に腕枕をしてくれて
約束どおり、ただ、抱きしめるだけで

ときおり、口づけをおとしてくれて

私を愛おしんでくれるのが、すごく、わかる








優しい夜がふけていく


私は、チェ・ヨンの鼓動を聞きながら眠りに落ちた