銀河内でのゲリラとの戦いも沈静化し、新天地を求め移動する人々も出てきた。

 

少し離れた場所にある太陽系へと移住する人々を載せて、小規模艦隊が編成された。

 

自衛のための人型起動兵器も数十機程度随伴していった。

 

一つのめぼしい小型惑星をテラフォーミングして住み着いた。今でいう火星だったと思う。

 

その時近くの星に発展した文明を持つ種族がいたので、友好関係を申し出た。

 

マルドゥクという星だった。

 

こちらの持っている人型起動兵器を珍しがったので、2,3機譲り渡した。

 

自衛のためのものだったので、かなり前の型式で火力も抑えられていた。

 

平穏に入植も進み、移住してくる人も増えたようだった。

 

しかし、ある時を境にマルドゥクとの関係が悪化した。

 

入植者たちは戦争を好まなかった。そのため、我々は何度かに分けて元の星へ帰ることにした。

 

帰還を希望する人々の約半分近くを送り出し、残りの部隊と共にタマちゃんの乗る艦隊は火星を離れた。

 

火星にはわずかな駐屯部隊と、帰還する予定の人々が残っていた。

 

そこへマルドゥクの戦闘部隊が襲い掛かってきた。

 

戦闘機が複数と人型の起動兵器が何機か。起動兵器はこちらが渡したものをベースに、改良したものだった。

 

移民を保護するために、タマちゃんをはじめ、戦闘員達は人型起動兵器に乗って出撃した。

 

後方の何隻かの小型艦は防戦一方だった。急襲してきた部隊を迎撃しつつ、帰還民達を安全圏に避難させる。

 

同時に友軍に援護を求めた。

 

タマちゃんは敵の起動兵器を何機も落としながら、味方と連携をとる。しかし、食い下がってきた一機の敵起動兵器ともみ合いになりながら、火星の地上へ落下。なんとか相手を撃破したものの、火星へ着陸し、救難信号を送った。

 

そして火星から見上げた空では、マルドゥクのものだろうか巨大な戦艦が集中砲火を受け、真っ二つになりながら爆発して地上へ落下していった。

 

おそらく味方の援軍がやってくれたのだろう。タマちゃんをはじめ何人もの人々が救助された。

 

さらに一般人の帰還も進んでいった。しかし、全てが帰還するまで待ってはくれなかった。

 

マルドゥクも全戦力を投入してくることは予想できた。

 

こちらも自衛用の起動兵器でなく、制式量産された起動兵器とそれを運用する新型戦闘艦を中心とする艦隊を投入した。連合の総戦力のほんの一部だが、たかが一つの惑星にこれだけの戦力投入は久しぶりだった。

その中に崩星殲滅砲を装備した大型艦も存在した。

 

火星を一時的な拠点とし、小規模の予備隊を待機させていた。一般人達の守備が目的であったが。

 

艦隊の大部分は木星とマルドゥクの間の宙域でにらみ合い、戦闘が開始された。

 

制式仕様の軍隊の前に、マルドゥクの戦艦達を撃破していった。タマちゃんの軍は向こうが敗北を認め、火星にいる人々を無傷で帰還させたらそのまま帰る予定だった。

 

しかし、マルドゥク達は火星へのプラズマ核融合ミサイルを何発も叩き込んだ。

 

あっという間に火星は焼け野原となり、地形もえぐられすべての生命は消し飛んだ。

 

このことで、宙域戦を行っていたマルドゥクの艦隊はほぼ木っ端みじんに打ち破られた。皆が激高したのだ。

 

そしてタマちゃんの居る艦隊は、マルドゥク星へと侵攻し、崩星殲滅砲を打ち込んだのだった。

 

マルドゥク星は爆発し、粉々に砕け散った。生き残ったマルドゥク人達は別の星へ逃げていったようだった。

 

この戦いの後、タマちゃんをはじめとするこの戦いに関与した人々は、本星で処罰を受けた。

 

その後、タマちゃんは転生をしながら色々な星で活躍したという。

 

おわり