私が平沢進と出会ったのは2016年の冬、ライブ:第九曼荼羅の1年くらい前である。当時高校生だった私は、ふとツイッターでパレードのサビの歌詞を見かけた。

 

さあ異臭を放ち来る 君の影を食い

恐怖のパレードが来る 君の名のもとに

 

この歌詞の意味の分からなさと恐怖心を煽ってくるような言葉のインパクトに、「これは何事だ」とYouTubeで早速『パレード』を聴いてみた。その時、私は初めてカタストロフィを経験するに至ったのだった。

歌詞の意味は分からない。分からないながらも、心を惹きつけられる魅力があった。難しい言葉の底に、恐ろしい何かが隠されている。私は聴けば聴くほどその怪物の存在が気になって仕方なくなり、『RIDE THE BLUE LIMBO』、『華の影』、『論理空軍』という風に、アルバムを無視してYouTubeの関連動画でみかけたものから片っ端から聴いていった。

あれから3年半が経った今、私は完全なる馬骨へと変貌した。GREEN NERVEへの入会はもちろん、ライブDVDはすべて集め、CDもほとんど揃えた(P-MODELのいくつか、廃盤のもの、HALDYN DOMEはまだ入手に至っていない…)。しかし、いまだに平沢進の曲は意味が理解できないものが多い。歌詞の中で使われる言葉には今の今まで聞いたことがないようなものもあるほどだ。だがかろうじて理解できそうなものもある。このブログでは主に平沢進ソロ、あるいは核P-MODELの曲の中で自分なりの解釈がある程度完成しているものの考察を行っていく。もちろん私は自分の解釈を完璧な回答だとは思っていない。ましてや平沢進の曲が完璧な回答を与えられ得るものだとも思っていない。私の考察は、あくまで平沢進の曲を多角的に見るための一つの手段であるため、読者の皆さんはくれぐれも騙されないようにお願い申し上げます。

さらに予め断っておくと、私は自分のことを口下手であると思っており、それゆえブログの中では言葉足らずであったり論理的な構成じゃなかったりと、ブログとして力量不足なところもきっと出てくるでしょう。できる限り推敲を重ねそのようなことが無いように努めさせていただきますが、それでもわかりにくいところや訂正が必要な箇所がありましたら、ぜひコメントを添えていただけるとありがたい限りです。

最後に、私のブログを拝見してくださった読者の方々、誠にありがとうございます。更新頻度は不定期となりますが、私のブログを通して平沢進の曲を見る角度が少しでも広げていただければ幸いです。