なるほど!ザ・島松祐介の祭典スペシャル

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過日、その日の労働を終えた私は、毎夜世界を覆う闇に虚勢を張るかの如く、猥雑な蛍光ネオンを着飾った平戸桜木街道をねちねち歩き、普段頻繁に利用するところの京急日ノ出町駅脇の喫煙所にて、缶コーヒーを片手に一服やっていたのだが、

というのも、これは私の習慣であって、そうしているところへ、私の目と鼻の先を、友人が、こちらは缶ビールを片手に、ってのはこの人は随分と酒好きな人であるとの噂であって、

何故、噂かと言うと、自分は彼と知り合ってまだ一年程しか経っていず、また、顔を合わせたのも数回であって、その人となりといったものを充分に理解しているとは言えず、人に又聞きしたところそのように推測したのだが、

中には、斯様な人を指して図々しく友達などと紹介するのは如何なものかと、眉をひそめる方もおられるかも知らんが、その数回というのがこれ、とても親切をして頂いたこともあって、その気持ちに応える形で、と言ってはあまりに偉そうではあるけれども、私は彼を友人であると判断、認識している訳であるが、

その友人であるところの彼が、もう片方の手に持ったスマートフォンの液晶画面から発せられる光に照らされた顔面に、無表情な、少しく呆けたような趣きの面を浮かべて、まったく私に気付くことなくその場を通り過ぎてしまったのである

というのはこれ、以前当ブログでも紹介した通り、私のヘアースタイルのトランスフォームに起因すると思われるのだが、だって、彼の知る私というのは金髪、オカッパ、前髪極短という極めて珍妙、愚劣な痴れ者のはずであって、そうでない今の私は彼の中では最早私ではなく、私とは認識できないのだろうと自ら判断を下さざるを得ない

そして、彼のような友人が、と言っても、くどいようだが、私が友人であると認識しているに過ぎないのかもしれぬが、私の周りには相当数居るのではないかと怪しんだ

そう考えると、前述した三重苦というのは私が私である証明であったとも言え、それはある種のアイデンティティとも呼べて、かの邪智暴虐の三重苦を克服し、これからは、うふふ、快活快活、などとほくそ笑んでいた私は、すっかりアイデンティティを失してしまっていたことになるのである

それは最早、交差点で私が立ってぇいてぇぇもぉぉ、もう今は見つけられないかもしぃぃれぇなぁいぃ、といったaikoのアンドロメダを意味するのであって、少しく切ない感傷に浸ってしまいたくもなるのだが、

だったら貴君の方から友人に声を掛ければよかったではないかと、御尤もな叱責を加える賢人も居ろうかとは思うが、よくよく思い返してみると、自分が何故斯様に奇妙なヘアースタイルをかましていたかと言うと、己の人見知り、人恐れ、人恋しによるのである

つまり、斯様に奇妙奇天烈なヘアースタイルをしておれば、自ら相手に印象づけるべく何か努力をせんでも、えへらえへらとしているだけで、相手は私の顔を、というか髪型を記憶してくれるのであり、怠惰、怠慢にまみれた私にとっては、表面的ではあるかもしらんが、世に言う人間関係を円滑に保つ上で非常に好都合であったからである

で、なんだっけ、そう、友達がね、僕に気付かないで目の前をスルーしちゃったのね、んでね、僕はそれがショックだったかっていうと、まぁ、そこまでじゃなくってね、ってか僕の髪型がどうこうじゃなくってね、その友達はスマホを凝視してた訳、うん、だからだと思うのね、気付かなかったのは





御託はいらね、きっかけをください





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前回、己の珍妙極まる髪型に嫌気のさした私は、ホットペッパービューティーを閲し、床屋の暖簾をくぐるに至った



というのも、鬱屈として書見に耽ってばかりの生活を改め、コンサート会場や活動写真館での快活な人生を興じる為、その足掛かりとしてである

新しい刺激によってもたらされる、己の変化、その欲求

しかしながら、前日の睡眠不足、それに起因する特有の倦怠、その靄に包まれながら、美容師と相談することになった私



美容師の声が、明け方の雑木林に立ち込める密度の濃い霧の中から、輪郭の判然としない灰黒色のぼやけた塊がじんわり滲み出てくる様に、私に語りかけてくる



「・・・、マッシュ・・・」

「マッシュすかねぇ・・・(マッシュって何や、ムッシュかまやつの親戚みたいなもんか、だったら絶対やだ)」

「・・・、日村みたいな・・・」

「そっすねぇ・・・(日村、バナナマンの日村の様な、まぁでも、一時そんな頃もあったしなぁ)」

「・・・、レイヤーを・・・」

「えぇ、ははっ・・・(レイヤー!レイヤー!は、B'zかね、いや、そりゃライヤー!ライヤー!か、もう信じられないや!)」



なんて、夢かうつつか定まらぬ間に気がつくと処置は終了

鏡に映った、あなたと二人、情けないようで、逞しくもある、なんてglobeかっつって己の頭髪の仕上がり具合を確認すると、





格好良かったのである





お洒落だったのである





もう、何て言うか、頭に代官山を乗っけてるって言うか、表参道と言う名のヘアワックスで南青山型にスタイリングしているような、なんか今風って言うか、イケてる風って言うか、もちろん髪型ね

それを見た途端、ぎぃやぁぁぁおぅぅ、と怪獣王ゴジラの如くに叫び立て、余りの羞恥の為に顔面を烈火の炎に燃やし、床屋を飛び出した



何を隠そう、私は、泣く子も黙る天の邪鬼なのであって、

髪型に関して申し上げるなら、多くの友人、知人は、長髪より短髪にしていた方が貴君に良く似合うと言い、また私がそうしてやった時などは、好印象を持つのか、やたらに褒めてくれる

しかし、私としてはそれが恥ずかしくってしょうがない

似合うと言われ、自分でもなんとなくそうだろうと分かっていることをそのまま受け入れる、なんだか酷く狡猾な猿の如き所業に思えて、そうなるともう絶対短髪になどしてやるものかと臍を固めてしまうのである

その歪んだ反撥心のようなものが、例の奇妙奇天烈摩訶不思議、奇想天外四捨五入、出前迅速落書無用な髪型を産み落とした母体でもあるのだ

そんな私が斯様な洒落た代官山ヘアーを晒して、これからの日々、臆病な自尊心と尊大な羞恥心に苛まれた虎の様な、隴西の李徴みたいな生活をして行かねばならぬとは、もう、きぃやぁぁぁ、いやぁぁぁん



そうして、コンサート会場にも活動写真館にもカラオケスナックにも立ち寄ること無く、大急ぎで自宅へと引き返し、また鬱屈と書見に耽った私であった





そうして、ベットに寝そべり、本を持つ手の痺れた私は言うだろう





お洒落はいらね、書見台をください





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とかく、刺激の氾濫する世の中である



これと言うのは、今の世の中、日々、毎時毎分毎秒、刺激を求めて止まぬという類いの人々が多勢を占めるからであると推測するのだが、

元来、人間というのはそういうものであって、刺激によってもたらされる己の外的な、或は内的な変化、変容、変貌といったものを欲する傾向にあり、それはつまりどういうことかというと、

自分が変わりたい、ということである





過日、労働でくたびれた体を、吊り革を握った右の掌と、身に覚えのない筋肉痛に悲鳴をあげる両足で必死に支え、見るともなしに見た車窓を覆った漆黒の闇に映る、己の容貌に驚愕した





なんちゅう髪型しとんねん





今更である





私の髪型というのは、自分で告白するのもなんだが、実に珍妙、奇怪であって、オカッパ、金髪、前髪最短という三重苦である

何故、斯様な愚劣極まるヘアースタイルに成り果ててしまったかと言うと、まぁ種々様々な理由があって、これまた長い話になるのでここでは語らぬことにしよう

まぁ、オカッパ四年、金髪一年、漸う自らの奇天烈な愚行を恥じるに至った私

ってかねぇ、飽きちゃったんだよねぇ



兎にも角にも、私は斯かる頭髪に対して急激に嫌気がさし、なんなら憤怒し、厭悪し、もう一秒でもこんな頓珍漢な頭で日を送ることに耐えられなくなって、刺激じゃい刺激、なんて喚きながら、即刻、ホットペッパービューティーにアクセス、床屋を予約、散髪に出掛ける段取りをつけたのである



そう、私は変わるのだ



鬱屈として書見にばかり耽っているのはもう止めだ、私も巷の猿共と同様に、コンサートなどに出掛け拳を突き上げたり、活動写真館で嗚咽を漏らしたり、カラオケスナックで「居酒屋」をデュエットしたりして、快活な日々を送るのだ、人並みなんて贅沢は言わない、せめて猿共並みの人間らしい生活を(なんのこっちゃ)送るのだ、どうだ猿共、まいったか、うっきっきぃぃぃ

その為にもまず、この愚劣な髪型とはおさらばさいさいじゃい、バナナ持って来い、バナナ、バナナんぼー

なんてぶつぶつ言いながら、床屋のバーバーチェアに腰を下ろした私



「さて、如何なる処置を施せば良いか?」

「うむ、この金髪がどうも気に食わん、腹立つ、ムカつく、まずこれを一閃の光も受け付けぬ暗黒に染め上げてくれ給え」

「御意、して、カットの方は?」



と問われ、

あっ、えっ、どうしよう

とまごついてしまった



あれだけ、私は変わるのだ、などと吠えておったくせに、一体どう変わろうか、如何なる髪型にしようかという見通しを立てていなかったのだ

さらに不味いことに、その日寝不足であった私は、思念を巡らそうにもどうにも脳が働かなんだのである





次回へつづく



とここで、当ブログに期待を寄せる稀有な方々は言うだろう





焦らしはいらね、つづきをください





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やるなら、やらねば

っていうのはウッチャンナンチャンで、



やらねば、やらねば

と思っていながらも、日々の生活や労働に追われと言い条、その実、主として己の怠惰を理由に、手をつけずに放置してしまっている様々な面倒、厄介事

これというのは、事の大小、多寡は違えど、おそらく如何なる人間でも持ち合わせてい、また思い当たる節のある問題であろうと思うが、

しかし、その厭らしい相互の怠惰に依存するような意識の下に安心して、そのままほったらかしてしまうと、

あれ?昼間なのに暗かないかい?
あっ、そうか、ここは日陰なんだな!
ん?なんだか、やたら馬鹿でかい日影だな

って後ろを振り返ってみるってぇとぉ

どっひゃあぁぁぁ!

堆積した面倒、厄介事の山ぁぁぁ!

が、屹立してるぅぅぅ!

ってなことになるのであって、それは嫌なので、やはり、怠慢な己の尻に鞭打って、まぁ鞭はさすがに痛いだろうからさ、平手、そう、平手くらいがね、丁度いいよね、塩梅がさ、つって平手打ちして取り掛かったのが、パソコンのデータ整理である





開始して暫くすると、全く身に覚えのない「歌詞集」というファイルが出てきた

どうやら、2011年の夏頃に作成されたものらしい

中を開くと、何編かのおそらく「歌詞」が入ってい、丁寧に題まで付けられているのだが、そのいずれも、現在自分のやっているロックバンドでは演奏されていないし、また過去演奏されたこともないばかりか、自分自身全く身に覚えのない文字の羅列が列挙されているのである



「夢に会う」
「僕の魚」
「耳元」
「はりぼて」

などである



恐る恐る、中身を覗いてみる





これ、爆笑である





ここで紹介できないのが残念でしょうがない



というのも、皆様に紹介するに当たって、まず、この歌詞の作者である者に了解を取らねばならない、これは筋であろう

ところが、この歌詞の作者はというと、どこにも見当たらぬのである



皆様の中には、

何を言うとんじゃい!
お前やろ!
しらこいぞ!

などと叱責する方もいるかもしれぬが、それは濡れ衣である



私は無実である

だって、全く身に覚えが無いんだもん

だって、「歌詞」なんだから当然メロディーが付くよね?

そのメロディーが流れないんだもん、その歌詞見ててさ、私の頭の中には、もう、全然、今エレカシだもん、流れてんの



そうして、この偉大なる業績を残して行方知れずとなった作詞家に向かって、私は言うだろう





言葉はいらね、音をください





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夜半である



横浜は日ノ出町のさる風俗店(世俗の者共はソープランドと呼ぶようだ)の前を通りかかると、門口に、空の丼、重箱の類い

店の者が取り寄せたであろう、店屋物の残骸

食らったのはその店で働く風俗嬢共(世俗の者共がソープランドガールズと呼ばぬのは何故であろうか)か



今日は朝までお客を離さないよ!
ねぇねぇ、いいだろぅ?
泊まってっておくんなよぉ…
ねぇぇえぇぇ…
泊まってってったらぁぁん
なんてね!
さぁさ、鰻でも食って精をつけましょ!
らんらんらん!



その実情は図りかねるのだが、まぁ、大方そんな具合だろう



暫しうつつを抜かしてしまったが、改めて



空の丼、重箱の類いを覗き込んだ私は、吃驚仰天



そこには、米の粒、ただの一つも残されていなかったのである



これは一体、何を物語るか





というと、この店、このソープランドの、風俗嬢、ソープランドガールズは皆、大変に勤勉、勤労であるということの証左に他ならぬということである





そこで私は、自分が斯様なサービスを利用する場合があれば必ず、この風俗店の風俗嬢にお願いしようと考えるに至ったのである



その際にはもちろん、誰に会っても失礼の無いように、黒いタキシードに身を包み、薔薇やらなんやらの花束を持って、その敷居を跨ぐのだ

そうして、私を迎えるのは、胃の中に鰻のぐちゃぐちゃになったものをたぷたぷ揺らし、山椒の味の唇を持ったソープランドガール、通称「鰻娘」である

仲間の風俗嬢からは、「うーちゃん」とか「うなっぴ」などと呼ばれている鰻娘は、タキシードの上に、すっかり気を動転させ鯉のように口をぱくぱくさせた顔を乗せた私に向かって言うだろう





花などいらね、金をください





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