ケンはリロの待つ家に帰った。


リロが、「どうだった?」と聞いてきた。


ケンは、ゆうつな表情で、婚姻費用と円満調停の申し立てをナオミがしたことを、かいつまんで、話した。


リロが、婚姻費用って何?子供も居ないのに、、養育費じゃあるまいし、そんな事でお金払わなきゃいけないの??


リロが不安そうに聞いてきた。


正直、ケンにとっても、初めて聞く言葉だった。


「コンインヒヨウ」


この言葉を聞いて、ピンとくる人は、どれほどいるだろう。


続いて、「エンマンチョウテイ」


この言葉も恐らく聞きなれない言葉に違いない。


リロとケンは、パソコンを開いて、「婚姻費用」と引いてみた。


すると、こんな趣旨のことが書いてあった。


「夫婦は収入が多い方が、収入の少ない方に対して、金銭の負担をする義務がある。同居時は、問題となることは少ないが、主に別居時に、収入の多い方から少ない方に生活費として渡すものである」


???

なんだこれ、、


リロとケンは、しばらく理解に苦しんだ。


子供の成人までの、養育費という言葉は、馴染みが深い言葉かもしれないが、婚姻費用は離婚を前提とした別居であっても、籍が入っている間は、支払い義務があるとも書いてある。


弱者を救済する為の、法律なのかもしれないが、正直、納得できる内容でなかった。


いつもそばで、笑顔を見せてくれて、

家事も一生懸命にこなし、仕事との両立をしてくれている、リロには、心身ともに感謝いっぱいである。

そんなそばに居るべき女性に支払うものならまだしも、無職で旦那の稼ぎだけでやってきた、ナオミに家を出て行ってまで、相当額の婚姻費用なるものを支払うのは。。。。


日本の籍は、損得で計算できるものではないが、別居している今、ナオミからの恩恵は何1つない。それどころか、多額の婚姻費用なる名目で、搾取されるのは、絶対におかしい。


リロとケンは、お互いに顔を見合わし、

自分の無力さを痛感した。


それでも、法律で守られ、申立をおこされた以上、戦うしかすべはない


ケンは調停に向け、準備を始めた。