老教授との悲しい交流 | ヨーロッパの片隅で

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シリアスな話題から下ネタまで、ただ思いついたことを書いていきます。

今日も老教授のところに勉強に行ったのだが、通じ合わない。


悲しいものがある。


彼は、脳梗塞の後遺症みたいな感じで、反応が鈍くなっていて、歩くのもおぼつかない。


私はそんなことは別に気にしないのだが、彼は負い目に感じているようだ。


それにもしかしたら、私がそのことで彼を蔑視しているのかと誤解されているのかもしれないと思うと悲しい。


今日、二人っきりになった時に思い切って、


”先生は第二次世界大戦の時は何をされていたのですか?”と聞いた。


最初は反応がなかった。あ~、やっぱり仕事中に学問以外のことを話すのはまずいのかなあ”と思った。


でも、少し間をおいて(先生はこちらの言っていることは分かるが、反応が少し遅い)


”私は3年前に病気になって、体が不自由になってしまったんだよ”と私の質問と全く関係のないことを言い出した。


たぶん、前から言いたかったのかもしれない。ということは、私がそのことについて、”大丈夫か、この先生!”みたいな感情を持っていると思っていたからだと思う。


いや、実際、私にそういう感情があるのかもしれない。他の学生がはしゃぎすぎて、この先生が困らないかちょっとハラハラしている部分はある。


昔、30ぐらいの時、中国留学で、82歳の老教授について勉強したことがある。その時は、その人と私的なことを話そうなどと全く思わなかった。それだけ、違うと思ったたから。


でも、45歳になった今、80ぐらいの老教授と何か通じ合えるのではないから思ってしまう。だか、それが誤解の始まりかもしれない。


素直に勉強だけしておこう。